サックスの演奏で、牧場の牛たちを魅了する男性の動画が、ネットで人気を博している。
「うちの両親はとても変わり者です。父は練習中のサックスを牛たちに聞かせるために、わざわざ車で出かけました」というコメントを投稿したのは、アメリカ・オレゴン州に住むエリン・ハーマンさんだ。
エリンさんが投稿した2つの動画には、牛に向かってサックスを演奏する父親のリック・ハーマンさんがうつっている。
リックさんが演奏を始めると……。
牧場を歩いていた牛たちがサックスの音色に歩みを止め、ぞろぞろとリックさんの方に近寄ってくる。そしてうっとりとサックスの音色に耳を傾けている。
地元のテレビ局KGW8のインタビューで、「サックスを習い始めて7カ月だが、これまで家族とペットの犬の前でしか演奏したことがなかった」とリックさんは明かす。
しかし、動物を聴衆にして演奏をする人たちの動画を見て、牛がいる場所まで出向いて演奏してみてはどうだろうと、妻と娘に提案したという。
まさかこんなに反応してくれるとは思わなかったと、リックさんは話す。
「少しは興味を持ってもらえるかなと思いましたが、まさかフェンスのところまで来るとは思っていませんでしたよ」
エリさんはインターネットメディア「デイリー・ドット」に、牛たちの方が犬より反応がよかったと話す。
「父が練習すると、うちの犬はすごく嫌がって、リードをかみつぶしてしまうくらいです」
「しかし、犬は理解してくれなくても牛なら音楽の良さをわかってくれるのでは、と父は思ったようです」
動画を見て、リックさんのファンになった人の中には、有名なサックス奏者のケニー・G氏もいる。
ケニー・G氏はTwitterで動画をシェアして「これは素晴らしい! 私たちもどこかで演奏しなければ」とコメントしている。
YouTubeには、リックさん以外にも牛を相手に演奏する人たちの動画が投稿されている。
メルボルン大学の動物愛護学者レベッカ・ドイル氏は、2015年のオーストラリアABCのインタビューで「牛が音楽に惹きつけられるのは、生来の好奇心からだろう」と説明する。
一方で、環境次第では音楽が牛を怖がらせることがあると指摘する。
「リラックスしている状況であれば、牛たちは新しい経験を楽しむでしょう。しかし反対に嫌がっているような状況では、牛は慣れない状況に恐れをなし、ストレスを感じることもあります。牛たちが、どれだけ安心しているかがポイントです」
ハフポストUS版を翻訳しました。