同性同士の結婚・通称「同性婚」が法律上できないのは憲法違反かどうかを争った日本初の裁判で、札幌地裁の武部知子裁判長は3月17日、「同性間の結婚を認めないのは憲法14条に違反する」として違憲判決を言い渡した。
原告の一人は「憲法14条に違反する」という言葉に涙が止まらなかったと話した。
判決では、婚姻の自由を定めた憲法24条に違反しているということは認められず、慰謝料の請求も棄却したものの、原告側は、法の下の平等に違反すると現行法を違憲とした判決は、実質的な勝利だと考えている。
日本で初めて下された「同性同士の結婚を認めないのは憲法違反」という司法判断。判決の後の取材で、原告6人のうちの国見亮佑さんとたかしさん、CさんとEさんが喜びを語った。
国見亮佑さん「もう涙が止まりませんでした」
国見さんは「憲法14条に違反する」という言葉に涙が止まらなかったと述べた。
「棄却するって聞いた時には、やっぱりっていう思いもあったんです。ただ意見陳述の時からも、裁判長さんはしっかり私たちの話を聞いてくださっている感覚がありました。だからこれだけで終わらないなという思いで見ておりました」
「(言い渡しの)途中までは憲法24条には違反しないということだったんですけれども、異性愛者と同性愛者の生まれながらの違いで差別をすることについては、憲法14条に違反するって言ってくださったので、もう涙が止まりませんでした」
「私は(LGBTQの)活動を札幌で20年やってきています。こうやって真摯に私たちの問題に向き合ってくださって、本当にいい判決を出してくださったと思います」
たかしさん「一生忘れないです」
たかしさんは、言い渡しの最初で「24条には違反しない」などの言葉を聞いて不安になったが、最後は一生忘れない判決になったと振り返る。
「皆さん本当にありがとうございました。今日の判決までの間に、たくさんの取材や様々な機会でお話をしてきました。皆さんが本当に私たちに向き合い、記事を書いてくださる中で、いい結果が出て欲しいなという気持ちで今日の日を迎えていました」
「判決の最初でちょっと不安な気持ちになったのですが、話が進むに連れて、この2年間や原告尋問の時に、私たちが裁判官に対してお話したことを踏まえ、本当に心を込めて判決文を読んでくださっていると感じました。本当に胸にくるものがありました。一生忘れないです」
Eさん「あとは国が動くだけ」
Eさんも喜びを語ると同時に、この判決を受けて法整備をするよう国に求めた。
「夢のようです。まさかこんな判決文を裁判長が読み上げてくださるなんて思っていなかったので、今すごく嬉しい気持ちが先行しています」
「札幌地裁でこの結果が出たんですから、あとは国が動くだけです。私たちの思いを寄り添って聞いてくれて、あんな素晴らしい判決文を書いてくれた、この札幌地裁の結果を国には真摯に捉え、ちゃんと検討して欲しいと思います」
Cさん「日本が変わる一歩になって欲しい」
CさんもEさん同様、判決で日本が変わるきっかけになって欲しいという思いを語った。
「先ほどたかしさんも言っていたように、判決の最初の部分では自分たちにとって良いことは言われなかったので、胸がぎゅっとしめられる思いでした。ですがどんどん良い方向に進んで行って、すごく感動しました。この判決が、日本が変わる第一歩になって欲しいなと思いました」