青い液体ではなく”赤い血”を使った生理用ナプキンの広告は、2016年のイギリスのブランド「ボディーフォーム」によって初めて公開された。
生理をタブー視する世界的な文化のなかで大きな注目を浴びたのだが、韓国でもついに女性の生理に率直な広告が登場した。
生理用ナプキンブランド「natracare(ナトラケア)」は、生理を真正面に扱うCMを2018年11月から相次いで公開している。「”その日”は爽快でも、輝きもしない。実は何もしたくない日が生理の日」としている。このCMに対して韓国では「広告を見て感動した」などの賞賛の声が集まっている。
1. その日って、一体なんなの?
その日も自信をもって白い服を着てください
その日も立ち止まらないでください
その日も心配なく眠りについてください
その日も仕事に集中してください
その日も私たちは輝かなきゃいけないから
既存のCMでよく見るフレーズだが、軽やかな言葉に反して女性たちは憂鬱そうな様子だ。これらの様子が映しだされたPCを閉じた女性が「その日?その日って一体なんなの」とうんざりした表情で語る。
前半に登場した女性たちが「痛くてイライラする」「不安だ」「絶対に爽快じゃない」「何もしたくない」「それが生理だ」と語る。オフィスのテーブルに投げられた休暇申請書には、「有給」にチェックが入っている。
「何もしなくても大丈夫。それもまたあなたの選択」というフレーズのあと、商品が紹介される内容となっている。
2. これは生・理・ナ・プ・キ・ン広告です。
これは、生・理・帯(生理用ナプキン)広告です。
え?生理ナプキンと言うのが恥ずかしいですか?
ちょっと!
生理は女性が1年で実に65日もある、とっても自然で日常的な出来事でしょう。
生涯使うナプキンは約1万6000個。
ナプキンに使うお金だけでも、なんと600万ウォン。
生理は青い血でもなく、白い服を着て跳ねる日でもないです。
普段の生活用品よりずっとたくさん使うナプキン。
だから今、このナプキンの広告も、これ以上言う必要はないでしょう。
ありのままに、正直に、しつこく見てみましょう。
こんな語り口で始まる映像は、ナプキンをカッターで切って中身を見せたり、マッチで燃やす様子を映し出し、以下の文句で締めくくられる。
世の中のどんな製品より、正直に、オープンに、念入りに比較しなければならないナプキン。自分の体のために一番大切な決定は「ナトラケア」。
ソウル経済によると、「ナトラケア」側は「非現実的な既存の生理用ナプキン広告への女性の反応が否定的な点に着目し、女性の心を率直に代弁するナプキン広告を企画することとなった」とし「既存の広告では生理を”その日”と表現したのとは違って、広告としては初めて”生理”と表現した点で大きな意味があると思う」と説明した。
韓国日報によると、『月経の政治学』を書いたパク・イウンシル氏は「純粋」「清純」「清らかな」「白い」などのイメージがメインで、広告モデルも30〜40代の女性より社会経験が多くない20代前半が主にモデルとして登場してきたことについて「男性たちが要求する女性像を徹底して反映する戦略」と指摘している。
パク・イウンシル氏は同著で「月経タブーは性別分業が明確な社会で強調される傾向があり、女性と男性が多様な活動を平等にする社会では強調されない傾向がある」「女性の体は覆われ(ベール)、閉ざされ(貞操帯)、鋳物の枠に入れられ(コルセット)、ゆがめられ(纏足)、造形され(整形)、時には人間を生産するための道具(代理母)として使われてきた」と分析している。
ハフポスト韓国版から編集・翻訳・加筆しました。