サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会に出場する日本代表の選手たちが着ているのは、言わずと知れた「サムライブルー」のユニフォームだ。青を基調とし、デザインは毎回変更。ときには、時代背景やファッションの流行なども映し出してきた。
ところで、なぜ日本は青がベースにあるのだろうか、と疑問に思ったことはないだろうか。というのも、多くの国が、国旗に使われている色をそのままユニフォームに使っているからだ。
サムライブルーの「歴史」をひもとくと、意外なことがわかってきた。
ロシア大会で選手たちが着ているユニフォームは、藍色とVネックが特徴的。藍色は濃い青で、日本サッカー協会によると、勝利への験担ぎの意味でもあるという。
2018 FIFAワールドカップロシアを来年に控え、世界の頂点を目指した戦いに備えるため一新された今回のホームユニフォームは、日本の伝統色である深い藍色を意味する"勝色"をコンセプトとし、ベースカラーに起用しました。
勝色とは、かつて武将たちが戦いに挑む際身にまとった、鎧下と呼ばれる着物に使われる藍染の生地において、最も濃い色とされていました。
"勝色"の深く濃い藍を出すためには布を叩きながら染めるため、「叩く=褐(かつ)=勝つ」にかけて、勝利への験担ぎをしていたと伝わっています。
引用:日本サッカー協会
各国代表のユニフォームは、それぞれの国旗の色に合わせていることが多い。
ところが、「日の丸」は赤と白なのに、日本のユニフォームはなぜか青。これについて、日本サッカー協会は公式サイトのQ&Aでこう説明している。
Q.日本代表チームのユニフォームはなぜ青なのか?
「日本の国土を象徴する海と空の青」と一般的に考えられていますが、実際は後になってつけられた理由で、なぜ青なのかということは文献が残っておらず不明です。
日本のユニフォームは、戦前に水色を採用しており、戦後もそれが引き継がれていました。
1964年の東京オリンピックでは上下とも白となり、メキシコオリンピックでは白のユニフォーム+紺色のパンツが使用されました。これ以降は白と紺色が基調となっています。
1988年以降に赤と白のユニフォームが採用された時期がありましたが、1992年には再び白と青のユニフォームに戻りました。それ以降は青と白を採用しており、現在のSAMURAI BLUEに象徴されるように青を使用しています。
引用:日本サッカー協会
公式サイトには、歴代のユニフォームも紹介しており、1936年のベルリンオリンピックに出場した際の写真も掲載されている。この時、日本は優勝候補のスウェーデンに対し、3-2の逆転勝利を収め、「ベルリンの奇跡」と言われたという。
Q&Aにも書かれているが、過去一度だけ、選手たちは国際大会で日の丸の赤を基調としたユニフォームを着たことがあった。そのユニフォームもサイトで紹介されている。
横山謙三体制でユニフォームのカラーを日の丸の赤に、胸のマークも日本サッカー協会のエンブレムに変更された。世界の強豪は国旗のカラーを使っているのが主流で、エンブレムも協会のものが多いということで、それに倣ったものだが、評判はもう一つ。前回最終予選まで進んだワールドカップ予選も1次で敗退し、赤はこの時限りに。
引用:日本サッカー協会
ちなみに、サムライブルーという言葉は2006年、この年ドイツで開かれたワールドカップ大会を前に使われるようになったという。
日本は7月3日午前3時(日本時間)、決勝トーナメント1回戦の相手ベルギーと対戦する。