2月14日のバレンタインデー、13組の同姓カップルが国を相手取り、同性婚訴訟を起こした。各国メディアもこの動きを報じている。
BBC「長い道のりの第一歩を踏み出した」
イギリスのメディアBBCは、原告の1組で国際同性カップルの中島さんとドイツ人のバウマンさんを取り上げ、ドイツで認められた同性婚が日本では許可されない事実を報道。配属者ビザが下りない、など国際カップルでの問題を指摘。
改革は長い道のりであるが、希望のある第一歩目を踏み出した、と書いた。
ガーディアン紙「G7の中で同性婚を認めない唯一の国」
イギリスの新聞ガーディアンは、日本は先進国からなるG7の中で同性婚を認めない唯一の国である、と指摘。自民党の杉田水脈議員がLGBTに対し「生産的がない」と差別発言した事例などを説明。
また、日本は歴史的には同性愛に寛容で、歴史上、サムライに男性の恋人がいたことの記述がある事や、同性愛が浮世絵などにも描かれていた事を紹介。1800年代後半から工業化や近代化が進み、欧米の同性愛に対する嫌悪感に影響された、と日本の歴史も紹介した。
AP「法や多くの政治家はまだ保守的だが、国民は受け入れ始めている」
アメリカの通信社アソシエイト・プレスは、「日本はまだ保守的で、性的指向を隠している人が多い」と日本の現状を説明。その上で、2018年に電通が発表した、20〜59歳の回答者の7割が同性婚の合法化に賛成している、という調査結果を紹介。法や多くの政治家は遅れているが、国民は受け入れ始めている、と書いた。
サウス・チャイナ・モーニング・ポスト「経済にも影響」
香港の英字新聞サウス・チャイナ・モーニング・ポストは、訴訟前の6日に、14日の訴訟予定についての記事を公開。LGBTの権利改善の欠如は、日本の経済に打撃を与える可能性もある、と指摘。
8月に在日米国商工会議所(ACCJ)が「日本企業のすべてに具体的な恩恵がもたらされ、日本の経済競争力全体にも恩恵をもたらすことになる」、とLGBTカップルに婚姻の権利を認めるよう求めていた動きを紹介した。
また、明治大学法学部教授であり、14日に行われた訴訟を取りまとめた鈴木賢教授の「同性婚の合法化は世界のトレンドであり、これは日本にも影響します。アジアで次に認められるのは日本ではないかと思います」というコメントを報じた。