同性婚めぐる訴訟が起こされた。世界では続々容認しているのに、なぜ日本では認められないのか?

同性婚を認めるのは25カ国、パートナーシップ制度は27カ国が認めている
同性婚をめぐる訴訟の原告ら=2月14日、東京地裁前
同性婚をめぐる訴訟の原告ら=2月14日、東京地裁前
Jun Tsuboike

同性婚を認めないことの違憲性を問う全国初の訴訟が2月14日、全国4地裁に起こされた。同性カップルを法的に認める国が相次ぐ中、日本は取り残されつつある。

同性婚の推進に取り組んでいるNPO法人「EMA日本」によると、同性婚を認めている国・地域は2018年12月現在で25カ国に上る。

また、同性愛者ら性的マイノリティーの支援に取り組むNPO法人「虹色ダイバーシティ」によると、パートナーシップ制度のような同性婚とほぼ同じ制度を導入している国は27カ国ある。

HuffPost Japan

日本は同性婚を認めていないが、パートナーシップ制度は広がっている。虹色ダイバーシティによると、全国11の自治体が導入し、2019年1月末現在で登録したカップルは349組にのぼる。

同性カップルが公的に認められることの意義は大きいが、配偶者控除など税制面での優遇がなかったり、遺産の法定相続人になれなかったりするなど、結婚と比べ、様々な社会的保障が受けられないのが実態だ。

同性婚の法制化について、野党の立憲民主党は前向きだが、肝心の安倍政権と与党・自民党が反対の立場だ。

自民党は性的指向や性自認について「多様性を受け入れる社会を目指す」との方針だが、同性婚については、「容認できない」とし、パートナーシップ制度についても「慎重な検討が必要」と後ろ向きだ。

自民党の議員からは同性カップルに対する差別的な発言も相次いでおり、男女の両親と複数の子どもからなる「伝統的な家族」観を重視する傾向がある。

国会で圧倒的な勢力を持つ自民のこうした姿勢が、日本における同性婚の容認を阻む形になっている。

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