スペイン・バルセロナで建設中の世界遺産「サグラダ・ファミリア」(聖家族教会)が、133年ぶりに建築許可が下りることになった。イタリアのANSA通信などが10月19日に報じた。
サグラダ・ファミリアは、スペインを代表する建築家のアントニ・ガウディの傑作。1882年から136年間にわたって建設が続き、ガウディの死後100年に当たる2026年の完成を目指している。
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■教会と市役所で意見が対立
ニューヨークタイムズによると、サグラダ・ファミリアの理事会は、1885年に当時は独立した町だったサン・マルティー地区が発行した建築許可証を持っているとして、不法建築ではないと主張していた。
一方、バルセロナ市の当局者は、その数年後にサン・マルティー地区がバルセロナに吸収合併されたため、バルセロナ市の許可が必要だと主張。サグラダ・ファミリアの理事会は「1世紀以上も誰もそんな要求をしなかった」と反発していた。
バルセロナ市と2年間にわたって協議した結果、教会側が市に3600万ユーロ(約46億8000万円)を支払うことで市の建設許可が下りることになった。
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CNNによると、支払金は教会へのアクセス向上や、公共輸送や周辺の路上の再開発など地元住民の生活向上を図る財源に充てるという。