タレントのりゅうちぇるさんが4月29日、東京・代々木公園でLGBTのイベント「東京レインボープライド」でスペシャルライブを行った。
29日の昼下がり、ピンク色のブレイズヘア、タンクトップ、ラメ入りのパンツ姿で、代々木公園の野外ステージに登場したりゅうちぇる。
アーティスト名義RYUCHELLとして発表している「Link」などを歌い、観客を盛り上げた。
レインボープライドは、セクシュアル・マイノリティーへの差別や偏見のない世の中を目指すイベントだ。
MCでは、自分の個性が出せず、苦しんだという学生時代のエピソードを披露。
「学生時代は声が高かったり、可愛いものが大好きだったり、男の子なのにメイクをしていたり、だけど恋愛対象は女の子で。そういった人と違うところをからかわれたり、家族や友達にも味方がいなかったりして、自分のことを愛せなくなって、自分のことを嫌いになってしまった」
「みんなに『普通じゃない』って言われすぎて、『普通』がなんなのかわからないけど、『普通の人間に生まれればずっと楽だったな』と思うようになりました」
そんな時にファッションの聖地・原宿の存在を知り、一念発起して上京したという。そこでショップ店員として働き、現在の妻・ぺこりんさんとも出会った。
「行動に移すことで大好きなお仕事にめぐりあえて、気づいたら自分が大好きになりました。みなさんがバラエティで見ているのは、自分が大好きになった後のりゅうちぇる」
「でも、バラエティに出る前の学生時代の自分を忘れてはいけない。いま戦っている人がいっぱいいる中で、僕が歌を通してハッピーのバックグラウンドや、バラエティでは伝えられなかったりゅうちぇるを届けることによって、いつか自分のことを好きになれるかもしれない、自分らしく生きていこうと思ってもらえるようなキッカケづくりができると思いました」
数分間にわたり、時折笑いを交えながら、真剣な表情でそう語ったりゅうちぇるさん。
「世の中には愛が溢れている。だけど人にからかわれたり、バカにされたりして、その愛を見失ってしまう人もいると思う。だけどどんなかたちであれ、どんな色であれ、全ての愛は美しいんだよ、ということを伝えたいと思っています」
最後にそう訴えかけ、観客からの声援に応えた。