ロシア軍が3月4日未明、ウクライナのヨーロッパ最大の原子力発電所への攻撃を開始したと複数の海外メディアが報じた。
攻撃を受けたのは、首都キエフから400マイル(約640キロメートル)離れた場所にあるウクライナ南東部エネルホダル市のザポリージャ原子力発電所。
Advertisement
ウクライナの4分の1の電力を発電している発電所で、AP通信はウクライナ政府関係者の証言として、原子力発電所の近くで放射能のレベルが上がっていると報じている。
またロイター通信は、ロシア軍の攻撃により火災がザポリージャ原子力発電所で発生したと報じている。
ウクライナのドミトロ・クレバ外相も、ロシアがザポリージャ原子力発電所を攻撃したとツイートし、火災が発生したことを明らかにした。
クレバ外相は「爆発すると(被害は)チェルノブイリの10倍になります!ロシア人はすぐに砲撃を止め、消防士を許可し、安全保障地帯を確立する必要があります!」と攻撃の中止を訴えている。
Advertisement
AP通信によると、ザポリージャ原子力発電所の広報アンドレイ・タズ氏が、ウクライナのテレビ局に「ザポリージャ原子力発電所にある6機の原子炉の1つで火災が発生した」と話している。
タズ氏によると、この原子炉は現在改修中で運転していないが、中には核燃料が入っているという。
また、タズ氏は「原子力発電所近くの消防隊員たちが銃撃されたために、消火活動ができない」とも語っている。
国際原子力機関(IAEA)のラファエル・マリアーノ・グロッシー事務局長は、ザポリージャ原子力発電所近くでの攻撃を、即刻停止するよう求める声明を発表。「IAEAは、原子力の安全・危機管理のためにウクライナへの支援を続ける」と述べた。