地域の町おこしにおいて、重要なキーワードのひとつとなっているのが「持続可能性」だ。
ボランティアや観光を通して地域の実態や魅力を知ってもらうだけでなく、地域と地域を訪れる人の中長期的な関係を育むための取り組みが求められている。
MoonBaseが運営する地域活性化コミュニティ「Rural Labo」が母体となり実施している「Rural留学」では、2週間以上の滞在を通して地域を知り、自分ごと化し、実際にまちおこしのアクションを起こす体験ができるという。夏期の募集が開始された本プロジェクトの概要を紹介する。
若者と地域を持続的につなぐ「Rural留学」とは？
Rural留学は「総務省地域おこし協力隊インターン制度」を活用した、2週間以上の滞在型地域留学プログラム。地方創生と若者の地域交流を目的とし、地方の人口減少問題や若者の都市集中化といった課題を解消するため、2022年から実施している。
プログラムには「活動費支給」「仲間と一緒に参加」「メンタリング&伴走」「現地コーディネーター」「余白の時間」という5つの特徴があり、準備期間から現地での体験価値までを徹底的にサポートしている。
また本プログラムでは、地方自治体と連携して地域資源を最大限に活用しながら、持続可能なコミュニティの構築の貢献にも注力しており、地域と参加者のつながりを一過性のもので終わらせないための環境が整っているようだ。
2024年夏期の留学先はどんな町？
募集が開始された夏期のプログラムでは、福島県磐梯町と埼玉県横瀬町への留学が可能。
埼玉県横瀬町は、「日本一チャレンジする町」を掲げる人口約7700人の町。6次産業化（農山漁村の豊かな地域資源を活用した、新たな付加価値を生み出すこと）に取り組む、社員全員が地域おこし協力隊員という地域商社「株式会社ENgaWA」のもと、ソーシャルビジネスへの知見を深め、まちづくりや地域活性化の実践を積むことができる2週間のプログラムとなっている。
福島県磐梯町では、夏期の2週間滞在を皮切りに、年間を通じて数回来訪するプログラムを実施。磐梯町では「自分たちの子や孫たちが暮らし続けたい、魅力あるまちづくり」というビジョンのもと、町長主導で共創協働のまちづくりが進んでおり、地域で活躍する「地域おこし協力隊」や「地域活性化起業人」も多く活動している。
同プログラムの実施について、MoonBase代表取締役の小菅勇太郎さんは「まちおこしに関心のある若者が実際に地域に飛び込み、1プレイヤーとして活動に参加する中で、自分にとって理想の生き方や地域との関わり方を見出すきっかけを提供できればと考えています。また、その先でRural留学参加者が留学先の地域に対して愛着を持ち、その後も関わり続ける関係性を生んでいきたいです」とコメントしている。