『うる星やつら』『らんま1/2』『犬夜叉』などの代表作で知られる漫画家の高橋留美子さんが、紫綬褒章を受章することになった。政府が2020年秋の褒章受章者775人を11月2日付けで発表したことで明らかになった。毎日新聞などが報じた。
内閣府公式サイトなどによると、紫綬褒章とは科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた人に授与されるリボン付きのメダルだ。授与は、毎年春(4月29日付)と秋(11月3日付)の年2回。
褒章受章者には天皇陛下が皇居で面会されるのが通例だが、今回は春に続き新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえて行わないと時事ドットコムが伝えている。
■高橋留美子さん「読者の皆様が気楽に楽しめる漫画をお届けし続けたいと思っております」
コトバンクなどによると高橋さんは1957年、新潟県生まれ。日本女子大在学中に短編『勝手なやつら』で第2回新人コミック大賞の佳作に入賞。同作が1978年に『週刊少年サンデー』に掲載されてデビューした。これを発展させたSFラブコメ『うる星やつら』が大ヒットし、アニメ化。1980年代の少年漫画のラブコメブームの立役者となった。
小学館の漫画雑誌を中心に活動を続け、少年誌では『らんま1/2』『犬夜叉』『境界のRINNE』などを人気を集めた。青年誌では『めぞん一刻』『1ポンドの福音 』などを連載している。
小学館の公式Twitterによると、高橋さんは「身に余る褒章をいただき驚きもありましたが、しみじみと喜びを感じております。これを励みに今後ますます努力を重ね、読者の皆様が気楽に楽しめる漫画をお届けし続けたいと思っております。ありがとうございました」とコメントしているという。
■他の漫画家から祝福する声が相次ぐ
今回の紫綬褒章受章に、他の漫画家からも喜びの声が相次いでいる。
高橋さんと交流があり、自伝的な作品『アオイホノオ』の作中で、たびたび高橋さんの漫画について言及してきた島本和彦さんは「小学館漫画関係者全員がまるで自分が受賞したような喜びを享受しているはず‼︎」と綴った。
その上で、「だから私もまるで自分がもらったように喜んでいいはず‼︎ああ嬉しい‼︎」と続けた。
高橋さんと同じく『週刊少年サンデー』で連載している椎名高志さんも「とりあえず手元にあるものを」と、『うる星やつら』や『らんま1/2』などのキャラクターを描いたイラストを公式Twitterにアップして祝意を示した。
『アワーズGH」で「変と乱」を連載中のしおやてるこさんは『うる星やつら』と『めぞん一刻』で衝撃を受けて漫画家を目指すようになったと明かした上で、両作品のキャラクターを描いたイラストを掲載。「素晴らしい作品を生み出してくださってありがとうございます!」と感謝を綴った。