「聖職者は『心を高く掲げよ』(Hold up your hearts)とは言いますが、『携帯電話を撮影のために掲げよ』とは言わないでしょう」
ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王が11月8日、バチカンのサンピエトロ広場で開いた謁見で、ミサの間、携帯電話が撮影などに安易に使われている風潮について、こう苦言を呈した。ロイターなど、複数のメディアが報じた。
ロイターによると、法王は携帯電話をミサの間に使うことを「とてもみっともないことです」と語った。
その上で「ミサの間に携帯電話が使われているのをみると、本当に悲しくなる。とてもたくさんの携帯電話が掲げられている。信者たちだけでなく、司教や神父の中にまで、そんなことをしている者がいる」と指摘した。
「ミサはショーではありません。だからもう携帯電話は禁止です」。法王がそう言うと、集まった何万人もの聴衆からは、笑いと拍手が起きたという。
ワシントンポストによると、法王が携帯使用について言及するのは初めてではないという。
携帯を使うのと同じくらい聖書を使うよう求めたり、昨年は「携帯電話で夕食時も携帯電話でサーフィングしていたり、電子機器で遊んでいる配偶者を、もう1人が待ちながら眠りについたりするような、人々は一緒に過ごす時間がとれない事態になることもある」などと、携帯電話などによる弊害を指摘していた。
【UPDATE】記事冒頭、フランシスコ法王の言葉にある"Hold up your hearts"を「元気を出して」と訳しましたが、指摘を受け、ミサの際に用いられる「心を高く掲げよ」という日本語訳に訂正します。(2017/11/13 10:45)