7月4日に打ち上げられた米Rocket LabのElectronロケットが、離陸から4~6分後、2段目ブースターの噴射中に異常を発生、積荷だった7基の人工衛星の軌道投入に失敗しました。失われた人工衛星のうちひとつは日本のキヤノン電子の「CE-SAT-IB」が含まれていました。
Electronロケットは点火から離陸、1段目ブースターの分離までは順調に見えたものの、上昇中のはずのオンボードの映像が高度をやや落としたように見えた直後に停止し、その後管制室の様子に切り替わったまま、ロケットの映像に戻ることはありませんでした。
Rocket Labs創設者のピーター・ベック氏はTwitterで搭載していた衛星の開発企業らに対し「深くお詫び申し上げます」と謝罪、今回の事故は宇宙が常に容赦のないものであることを思い知らせるとともに、多くの学びを得る出来事になるだろうとしました。また今回の事故を受け、原因が究明され、それを解決するまでは再び打上げを行うことはないと述べています。
ロケットに搭載されていたキヤノン電子の「CE-SAT-IB」は、500mm x 500mm x 850mm、67kgと小型ながら、望遠用にEOS 5D Mark III、広角用にPowerShot S110という民生品のデジカメで高度500kmから地上分解能90cmの衛星写真撮影を実現するなど、2年にわたる実証実験を行う予定でした。
Electronロケットはこれまで12回の打上げを成功させ、53基のペイロードの軌道投入に成功していました。打上げ失敗は初めてではないものの、今回はいままでで最も大きな損失になったかもしれません。
source:Rocket Lab
via:CBS News
2020年7月6日Engadget 日本版「Rocket Labのロケット打上げ失敗、キヤノン電子の小型衛星など軌道投入できず」より転載
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