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俳優のネイサン・レインにとって、1996年の映画『バードケージ』は、舞台俳優から映画スターへと活躍の場を広げる大きなきっかけになった。
しかしこの作品は、個人的な経験においても忘れられないものになったようだ。
レインは3月26日に放送されたNBCの番組「サンデー・トゥデイ」で、『バードケージ』で共演したロビン・ウィリアムズとの思い出を語った。
『バードケージ』は、息子が保守的な政治家の娘と婚約したことで苦境に陥るフロリダで暮らすゲイカップルを描いたコメディドラマで、レインとウィリアムズが主役のカップルを演じた。
レインは『バードケージ』に出演する前から、友人や家族には自分がゲイであることをオープンにしてきたという。
しかし、公の場でセクシュアリティを公表すれば、俳優を続けられなくなるのではという恐怖心を抱いていた。
「ついに手にした映画の大役を、セクシュアリティの話題にはしたくありませんでした。ただ映画の内容と役のことを考えれば、避けられない話題だったのですが」と「サンデー・トゥデイ」で語った。
そんな時に、映画の宣伝のために出演したトーク番組「オプラ・ウィンフリー・ショー」で、セクシュアリティの話題になり、ウィリアムズが助けてくれたと振り返った。
「オプラが私にカミングアウトさせようとしていたとは思いません。だけど事前にロビンには『まだ心の準備ができていない。 出演してオプラと話すのがとても怖い。 全国放送のテレビで、自分がゲイだと話す心の準備ができていない』と言いました。すると彼は『大丈夫。心配しないで。話す必要はないし、話さないから』と言ってくれました」
しかし番組では、セクシュアリティに話題が及んだ。
当時の映像には、レインが司会のウィンフリーに「『バードケージ』をきっかけに、ゲイ役ばかりがオファーされ、周りから『あの人そうなの……?』と噂されることを恐れているか」と尋ねられる様子が映っている。
レインが答えに詰まっていると、ウィリアムズがふたりの会話に割り込み、話題を変えた。
レインはその時のことを、「サンデー・トゥデイ」でこう振り返っている。
「ロビンが急に割り込んで話題を変え、オプラの気をそらして私を守ってくれました。なぜそうしたのか。彼が聖人だからです」
「私は恐怖に襲われていました」「今、(同性愛が)当たり前のことになっているのは素晴らしいことです。しかし、同性愛嫌悪はまだ存在していて、(セクシュアリティを)隠さなければいけない同性愛者はたくさんいます」
マイク・ニコルズ監督の『バードケージ』は、子育てする同性カップルを描いた点で、今でも先駆的な映画と見られている。
また、レインはアルバート・ゴールドマン役で、ゴールデングローブの最優秀主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされた。
レインは作品について「人々はとても面白い映画だったので好きになってくれたんだと思います。そうすることで敵意を取り除き、人々を引き込んだ」と「サンデー・トゥデイ」で述べている。
また、レインはウィリアムズについて次のようにも語っている。
「ロビンは本当に素晴らしい人でした。とても美しく繊細な心の持ち主で、とても親切で寛大にでした」
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。