ロイター通信は12月7日、10月にレバノンで死亡した同通信社の記者について、イスラエル軍の攻撃で亡くなったとする調査結果を発表した。
死亡したイッサム・アブダラ記者は10月13日、イスラエルとハマスの戦闘を取材中に攻撃された。
現場はイスラエル国境から約1キロ離れたレバノンの村で、映像にはイスラエル軍の戦車から37秒の間に2発の砲弾が発射される様子が映っていたという。この攻撃でアブダラ氏が亡くなったほか、6人の記者が負傷した。
ロイターはこの事件について、30人以上の政府関係者や治安当局者、軍事専門家、法医学調査官、弁護士、医療関係者、目撃者に話を聞き、現場の映像を分析。
その結果、オランダ・ハーグの独立研究機関により、爆発物の破片がイスラエルの戦車砲から国境を越えて発射されたものだと断定されたという。
ロイターのアレッサンドラ・ガローニ編集長は「今日我々は、イスラエルの戦車乗員が同僚イッサム・アブダッラーを殺害したという証拠を発表しました。我々はイッサムの殺害を非難し、イスラエルに対して説明と、同僚らの死と負傷に対する責任を取るようを求めます」と声明で述べている。
「イッサムは優秀で情熱的なジャーナリストで報道部の誰からも愛されていました」
攻撃された現場には、AFP通信、アルジャジーラ、ロイターの合計7人の記者がおり、全員が白い文字で「プレス」と書かれた青い防弾チョッキとヘルメットを着用していたという。
ロイター通信によると、イスラエル国防軍に証拠を提示して説明を求めたところ、国際報道官のリチャード・ヘクト中佐は「我々はジャーナリストを標的にしていない」とのみ回答した。
ヒューマン・ライツ・ウォッチも7日、10月13日のレバノンでのイスラエル軍の攻撃は「意図的に市民を標的にしたものであり、戦争犯罪だ」とする報告書を発表した。
同団体レバノン調査員ラムジ・カイス氏は、「イスラエル軍がジャーナリストを意図的に攻撃し、致命的で壊滅的な結果をもたらしたのは、今回が初めてではありません。責任の所在を明らかにし、ジャーナリストやその他民間人を標的にするのは違法であると明確にする必要がある」と述べている。
アムネスティ・インターナショナルも7日に発表した報告書で、10月13日の攻撃は市民を狙ったもので戦争犯罪として捜査されるべきだとの見解を示した。
ジャーナリスト保護委員会によれば、10月7日に始まったイスラエルとハマスの戦闘に関連して、これまでに少なくとも63人のジャーナリストやメディア関係者(パレスチナ人56人、イスラエル人4人、レバノン人3人)が殺害された。
ロイターのガローニ編集長は「ロイターは正確さと誠実さ、独立性、偏見にとらわれず世界のニュースを報道しており、ジャーナリストの安全な報道は、極めて重要だ」と声明で述べている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。