PRESENTED BY RethinkPROJECT

アフターコロナの「地元」をどうアピールする?「メタバース」の世界にもつながる地元クリエイターの挑戦【Rethink Creative Contest 2021】

「今回のコンテストは、地元の歴史や特産品を、クリエイティブで再現しているわけですよね。これは今後メタバースの世界で、地元をどうつくるのか考える時に活きてくると思います」

2021年12月8日、新しい視点で地元の魅力を捉え、表現した作品を募集する「Rethink Creative Contest 2021」の受賞作品が発表された。

今年のコンテストのテーマは、「地元のアフターコロナをRethink!」。コロナ禍で観光が難しくなった今だからこそ発見した地元の魅力や、アフターコロナに向けて改めて発信したい地元の歴史や観光地を表現した作品が集まった。

コンテストの主催である株式会社クリエイターズマッチは、地元の魅力発信を、地元のクリエイターが担う「クリエイターの地産地消」を目指し、Rethink PROJECTとともに「Rethink Creator PROJECT」を展開している。「Rethink Creative Contest」は、そのプロジェクトの一環として2018年より毎年開催されている。

審査員を務める、Rethink PROJECTの推進責任者 藤内省吾さん
審査員を務める、Rethink PROJECTの推進責任者 藤内省吾さん

協賛となるRethink PROJECTの推進責任者であり、今回のコンテストの審査員を務めた藤内省吾さん(JT渉外企画室次長)は、「このコンテストの面白いところは、『地方』、『地域』ではなく、『地元』と呼んでいることです。『地方』、『地域』から『地元』と捉え方をRethink(再考)しているわけですね。『地元』と捉えることで、愛があるからこそ許される“いじり”なども生まれ、結果としてすごく温かみのある作品が集まったと思います」とコンテストを評価した。

『92歳、現役。』地元の飛行塔を、コロナ禍の祖父と孫に重ねた

最優秀賞受賞(Rethink PROJECT賞)を受賞したviewuunさんの『92歳、現役。』。
最優秀賞受賞(Rethink PROJECT賞)を受賞したviewuunさんの『92歳、現役。』。

授賞式では、全国各地から集まった約400作品の中から、最優秀賞1作品、審査員賞5作品、優秀賞14作品、地元PR賞28作品、JTBふるぽ賞1作品が発表された。

最優秀賞であるRethink PROJECT賞に選ばれたのは、viewuunさんの作品『92歳、現役。』。奈良県の生駒山上遊園地にある飛行塔のアトラクションを、祖父と孫に見立てて描いた作品だ。飛行塔は、92年前の開園当初から現存し、いまも現役で運行されている。

受賞をしたviewuunさんは作品について「戦前からある飛行塔が、今も現役で動いている。僕ら地元の人にとっては当たり前の事実でも、きっと知らない人にとっては、新しく見えるのだろうなと思いながら作りました」と話す。まさに当たり前をRethinkした結果、生まれた作品となった。

好評の様子。審査員の藤内さんは「すごくインパクトがあり、引き込まれる。一見では意味がわからないので、『なんだこれは』と引き付けらました」とコメント。
好評の様子。審査員の藤内さんは「すごくインパクトがあり、引き込まれる。一見では意味がわからないので、『なんだこれは』と引き付けらました」とコメント。

発表後のインタビューで、viewuunさんはコロナ禍の想いを作品に込めたと語った。 

「コロナ禍では、会えない家族との距離や、生きることのありがたさを感じました。そのようなことを踏まえ、高齢の祖父母が元気だったら嬉しいなと想像しながら、楽しいビジュアルに仕上げました。アフターコロナには、たくさんの人に遊園地に来てほしい」

viewuunさんは最後に、今回の作品をぜひ地元の人に見てもらい、「地元のここってやっぱりいいんだ、誇れるものなんだ」と思えるきっかけになってほしいと話した。

コロナ禍で地元の魅力を見つめ直し、表現することで、さらに地元の人がRethinkするきっかけになる。“地元のアフターコロナをRethink!”という今回のテーマにぴったりの最優秀賞作品となった。

まるでタイムライン。スマホ上で見やすい『スケートの原点、諏訪湖』が審査員賞を受賞

特別審査員賞を受賞した濱太郎さんの『スケートの原点、諏訪湖』。
特別審査員賞を受賞した濱太郎さんの『スケートの原点、諏訪湖』。

審査員賞の発表では、審査員がそれぞれ選出した1作品について講評した。

特別審査員であるPIVOT チーフSDGsエディター 竹下隆一郎さんが選んだ作品は『スケートの原点、諏訪湖』。下駄スケート発祥の地である長野県諏訪湖の歴史を表現した作品だ。 

審査員である竹下さんは作品について「縦に並んだ3つの写真が、私にはタイムラインに見えました。今はどんな作品も、スマートフォン上で見られることを前提に作らないといけないと私は思っています。そういった意味で、今後ずっと長く通用するクリエイティブだと思い、選ばせていただきました」と講評した。

VR上でどう観光してもらうのか?

特別審査員を務めるPIVOT チーフSDGsエディター 竹下隆一郎さん
特別審査員を務めるPIVOT チーフSDGsエディター 竹下隆一郎さん

講評を終え、竹下さんは今回のコンテストを高く評価した。

「コロナになって遠方に旅行ができなくなったことで、外から来た人に地元の魅力を発見される機会がなくなりました。つまり、地元の人たちから発信しなければならなくなった。そんな状況の中、コロナ禍でも発信を止めないという意味で、このコンテストは意義があったと思います」 

さらに、講評時に「スマートフォン」上で見られるクリエイティブの重要性について話した竹下さんは、今後はさらに「メタバース」上で見られるという視点が必要になってくると話す。

「もしかしたら、自由に移動ができない世界では、人々はVR上で行き来することになるかもしれません。VR上に『街』をつくるとしたら、そこでどう観光してもらうのかを、地元の人たちが結集して考えなければならなくなるのです。今回のコンテストは、地元の歴史や特産品を、クリエイティブで再現しているわけですよね。これは今後メタバースの世界で、地元をどうつくるのか考える時に活きてくると思います」(竹下さん)

地元のアフターコロナを、Rethinkして、Creativeする

必ず訪れるアフターコロナに向け、地元をどうアピールするのか。その問題を解決するためには、地元に根差したクリエイターの活躍が欠かせなくなりそうだ。

今回のコンテストのように、クリエイターが地元の当たり前をRethinkすること、そして表現し続けることが今後ますます求められるだろう。

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