「スウィート・ディキシー・キッチン」は、カリフォルニア州ロングビーチにあるアメリカ南部料理レストラン。ブランチが美味しい店として、口コミ情報サイト「Yelp」の評価も高い。
ところがYelpのユーザー「Tyler H.」が、同レストランのフライドチキンがファストフードチェーン「ポパイズ・ルイジアナ・キッチン」で買ったフライドチキンだとYelp上で明らかにしたことで、物議を醸している。
Tyler H.が10月9日に投稿したレビュー。
「従業員がポパイズのラージボックスを2つ、キッチンに持ち込んでいるのが見えました。従業員用に買ってきたのかなと思ったのですが、そうじゃなかったようです。私は店がポパイズのチキンを出していないかどうか確かめるためにチキン&ワッフルをオーダーしました。すると出てきたのはポパイズそっくりのチキン。いやむしろ硬かった」
「そこでウェイターに、フライドチキンはどうやって調理しているのかを丁寧に尋ねました。ウェイターは調理場に確認した後、ポパイズのチキンを使っていると認めました。ちなみに、ワッフルも岩のように硬かったです。結局、お店のマネージャーが全額返金してくれました。私たちは5人グループで行ったのですが、うち3人が食事は悪くなかった、もしくは美味しかったと答えました。でも、このお店でチキンを食べようと考えているなら、ポパイズに行くことをお勧めします」
このレビューが掲載された後、スウィート・ディキシーのオーナーであるキンバリー・サンチェス氏が「私たちは、自信を持ってポパイズのスパイシーチキンを店で出しています。ニューオーリンズから1日に2度運ばれていて、どこより美味しいフライドチキンです」とYelpでコメントした。
スウィート・ディキシーの責任者であるデヴォン・リー氏によると、フライドチキンをお店で調理していない理由は、店舗にフライヤーが設置されていないからだ。
同レストランが入っている建物は歴史的な建造物で、上の階は居住エリアになっている。フライヤーを設置するためには市の認可が必要だが、許可が降りるまでに何年もかかる可能性がある。また換気扇をつけるのに、7万5000ドル(約850万円)かかるという。
「お客さんからいつも、揚げ物をメニューに加えてとリクエストされていました。南部料理といえば揚げ物ですから。ポパイズのチキンはすごく美味しい。だからポパイズのフライドチキンをだすのが、私たちにとって一番簡単でベストな選択でした」とリー氏はハフポストUS版に述べた。
リー氏は「わたしたちはフライドチキンはポパイズのものであることを隠していません」とも話し、メニューにポパイズの名前を載せない理由は、著作権法に関わるからだと説明した。
また、ポパイズで5個5.99ドル(約680円)で買えるのに、スウィート・ディキシーのチキン&ビスケットに12.95ドル払うのはバカバカしいという声に対してリー氏は、自家製ビスケットとコールスロー、トマトジャムを使っているし、ポパイズにフライドチキンをオーダーして取りに手間と時間を考えると、12.95ドル(約1470円)は値段に見合っていると述べる。
一方で、今後メニューにフライドチキンはポパイズのものと表記することを検討しているという。ただ、それにはボパイズの許可が必要であり、許可が降りるまでは、お客さんがフライドチキンをオーダーした場合ウェイターがスウィート・ディキシーで調理されていないと伝えるという。
ちなみにこれが、スウィート・ディキシーのチキン。
オーナーのサンチェス氏はYelpに「ロングビーチで一番美味しいものが食べられるレストランにするため、やれることをやっています。ほとんどの食べ物は自家製ですが、周りからの少し助けてもらう時もあります」と綴る。
たとえば、スープは地元のファーマーズマーケットで売っているスープを友人から買っていて、ジャムはアラバマ州でつくられているものを買っている。自家製の豚肉の煮込みを切らした時には、お客さんをがっかりさせないようにロングビーチで一番美味しいカーニタス(豚肉料理)を買ってくるという。
レストランで出す料理はすべて自家製であるべきだろうか?パンをベーカリーから買うレストランもある。ジャムやバターだって、自家製のところはほとんどないだろう。
ただ、それがファストフードでもあり?その場合はメニューに書かなければいけない?
色々な意見がありそうだ。