トランスジェンダーの入隊をアメリカ軍が認める 2018年1月1日から新制度導入へ

オバマ政権が決定していたが、トランプ大統領は一転、禁止を継続していた
兵士らに囲まれながら演説するトランプ大統領=2017年9月、メリーランド州
兵士らに囲まれながら演説するトランプ大統領=2017年9月、メリーランド州
Yuri Gripas / Reuters

アメリカの国防総省は12月11日、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの人たちが軍に入ることを認めると発表した。制度は2018年1月1日から導入されるという。AP通信などが伝えた。

トランスジェンダーの人たちの軍入隊をめぐっては、オバマ政権が2016年に導入を決めたが、その後に就任したトランプ大統領が一転、認めない方針を打ち出していた。トランプ氏の決定は司法の場で争われ、うち1つの連邦裁は入隊を認めるよう求める判決を下していた。

AP通信によると、軍入隊に関する新しい指針では、性別に違和感を持ったり、性適合手術を受けたりした人たちについて、軍側は不採用にすることができるが、自認する性別について18カ月間、安定して適応し、業務上支障がなかったり、精神的に問題がなかったりした場合には採用できるとしている。

国防総省の担当者は、「新しい医療基準は複雑で、トランスジェンダーの人たちを採用する場合は、熟練した医療従事者が判断することになるだろう」としている。

トランスジェンダーの人たちを入隊させることの可否をめぐっては2016年、オバマ政権下の国防長官が2017年7月までに入隊ができるよう制度を改めると表明。ところが、次の大統領に就任したトランプ氏がTwitterで「(制度変更を)受け入れないし、認めない」などと投稿していた。

ニューヨーク・タイムズによると、ワシントン州裁は10月、入隊を認めないことは憲法違反だとする司法判断を示していた。

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