「一般職か総合職か」という選択は女性だけのものなのか

なぜ女性だけが新卒の就活から「結婚や育児」のことを考え、「総合職か一般職か」の選択を迫られなければならないのだろう。
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10月2日は内定式。

多くの学生が就活を乗り越え、来年から新社会人として働くことになる。

私も昨年から今年まで就活に向き合っていた。今回、就活の中で一番悩まされたことについて書いてみようと思う。

悩まされた「選択」

私が就活で一番悩んだのは、「一般職にするか、総合職にするか」だった。

はじめは、記者職を目指しマスコミ業界を受けていた。総合職的な働き方しかない業界でもあったため、総合職と一般職の違いを考えず就職活動をしていた。

しかし、マスコミ業界はことごとく落ちてしまった。そこから、第二志望であった金融業界にシフトしたのだが、ここで一般職と総合職のどちらを受けるべきか悩み始めた。

全国的な異動はないが、給与や大きな昇進の可能性が低い「一般職」。

反対に、給与が高く、高い管理職へ昇進の可能性も大きいが、全国転勤の可能性がある「総合職」。

最近では、より総合職と一般職の中間でもある「エリア総合職」など多様な職種が存在するが、選択肢が増え悩むことには変わりない。

私がこの選択で迷った理由は、地方から東京に出た学生だからである。就職しても実家に戻るつもりはなく、Uターン就職はしないと決めていた。「それなら総合職か」と思ったが、総合職を選べば転勤もある。仕事中心になって、結婚や出産などをうまくこなせるのだろうか。

かといって、エリア総合職や一般職を選んだら、総合職に比べ給与は低い。実家暮らしではないから生活するのはキツイかもしれない。

説明会にいくとますます揺らいだ。

ずっと選択に迷っていたため、とにかく企業説明会に応募し女性社員の働き方を聞いてみた。企業によっては、女子大生限定の説明会にも参加した。

説明会でなぜ、一般職(または総合職)にしたか話を聞いてみると、

「実家から通うために」

「子どもができても働けそうだったから」

「キャリアを積みたい」

と様々な声があった。

同時に、家庭と仕事の両立について聞いてみると、

「家庭と両立させるのはキツイ」

「やめたいと思うことのほうが多い」

と、一般職の社員からも総合職の社員からも、前向きな答えはあまり聞こえなかった。

結果、面接でも悩む

悩みに悩んだあげく、総合職とエリア総合職、一般職を併願して受けることにした。当然、面接では併願する理由を問われる。

エリア総合職や一般職の面接を受けると、

「留学してきて学生時代がんばっているのに、もったいない」

「女性活躍の時代だから、総合職にしないの?」と言われ、総合職を受けると、

「総合職は全国転勤だよ。結婚や出産はどう考えているの?」

と聞かれた。

私は「絶対、両立させます。キャリアも○○することで目標を実現させます」みたいなことをずっと言っていた。

就職する上での覚悟を問われているし、「面接なのだから」と割り切っていた。しかし、「仕事上、結婚も出産も育児も厄介事なのか」、「女性である私を雇うのは、嫌なのか」、果てには「男に生まれたら、ここまで考える必要もなかったかもしれない」と悩まされた。

「一般職か総合職か」という選択は女性だけのものなのか

就職活動を通し、私は、仕事上でやりたいことを見つける以上に、仕事と家庭の両立ができる仕事に就けるかについて考えていた。

その中で、地方から出て東京で暮らす私にとって、「一般職と総合職」の選択は「働き方を選べる」というより悩みの種でしかなかった。

「一般職か総合職か」、その選択に悩む人もいれば悩まない人もいる。

職種の選択はその人次第だし、よいか悪いかなんて働いてみなければわからない。

男女雇用機会の均等のために生まれた「一般職」。

「労働時間」や「女性の活躍」が問題になり、日本人の働き方が見直されているが、「総合職=男性が就く」、「一般職やエリア総合職=女性が就く」というイメージは未だに根強いと思う。

厚生労働省のホームページでは、一方の性の労働者のみを一定のコース等に分ける募集や採用や配置を禁止している。

女性が働くのが当たり前な時代の今、なぜ女性だけが新卒の就活から「結婚や育児」のことを考え、「総合職か一般職か」の選択を迫られなければならないのだろう。