雷雲では、相対論的電子によってエネルギーが非常に高いγ線が放出され、理論的にはこうしたγ線の大気中の原子や分子との相互作用によって、放射性同位体、中性子、陽電子などが生成される可能性がある。
最近、中性子や陽電子が観測されたとする弱い証拠がいくつか報告された。
今回、榎戸輝揚(京都大学)たちは、2017年2月6日に日本の沿岸域で雷雨を観測し、γ線フラッシュに伴って、電子–陽電子対消滅の明確な特徴と、中性子捕獲により励起した核の脱励起によって生じたγ線が見られたことを報告している。
著者たちは、雷の後、放射性同位体のβ崩壊によって陽電子が生成されたと結論している。
Nature551, 7681
原著論文:
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:10.1038/nature24630
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