イギリスのエリザベス女王(91)と夫のエディンバラ公フィリップ殿下(96)が11月20日、結婚70周年を迎えた。
2人が初めて出会ったのは、エリザベス女王が13歳、フィリップ殿下が18歳のころ。
金髪碧眼、長身でハンサムなフィリップ殿下に、エリザベス女王が一目ぼれしたと伝えられる。フィリップ殿下は、ギリシア・デンマーク王家の出身だ。
第二次世界大戦の終結から間もない1947年11月20日、21歳の王女と26歳の海軍軍人が結ばれた。2人の結婚式はロンドンのウェストミンスター寺院で執り行われた。
父王ジョージ6世の亡き後、エリザベス女王は1952年に即位。それから2人は長年にわたってイギリス国民とともに歩んできた。
プライベートでは、チャールズ皇太子ら4人の子供、8人の孫、5人のひ孫に恵まれた。2018年4月にはウィリアム王子とキャサリン妃に第3子が誕生し、ひ孫がまた増える予定だ。
一方で、2人の生活が常に喜びに満ち溢れていたとは言い難い。長男チャールズ皇太子はダイアナ妃と離婚。ダイアナ妃は97年、交通事故で悲劇的な最期を迎えた。奇しくもエリザベス女王夫妻の結婚50周年の年だった。
当時は、エリザベス女王の対応ぶりも含め、王室批判が高まった。世論調査でダイアナ元妃の死が王制を弱体化させるとの意見も7割に達した。
それでもなお、イギリス王室は存続している。政治的中立を貫くエリザベス女王の姿勢は、いまも国民から根強い人気と尊敬を集めている。
2015年、エリザベス女王は歴代国王の在位最長記録(63年216日)を更新。いまなお長寿記録を更新中だ。
ただ、2人とも高齢となり、近年は公務の軽減が図られている。エリザベス女王も複数のパトロン(後援者)から退き、フィリップ殿下は全ての公務からの引退を決断。後進にその役割を託した。
毎年11月の「戦没者追悼記念日(リメンバランス・デー)」の式典でエリザベス女王が毎年務めてきた慰霊碑への献花も、2017年はチャールズ皇太子が代行した。イギリス国内では「エリザベス女王の後」が徐々に意識されているようだ。