新型コロナウイルスが急拡大しているカナダ・ケベック州が、ワクチン未接種者に厳しい制裁金を課す方針を示した。
同州のフランソワ・ルゴー首相は1月11日、医療上の理由なしに新型コロナウイルスのワクチン接種を拒否する人たちに対し、健康税を導入する計画を発表した。
課税は「健康への貢献」
グローバルニュースによると、ルゴー氏は健康税について「ワクチンを望まない人たちの、健康への貢献だ」と説明した。
ケベック州は、新型コロナウイルスの過去14日間の感染者数が20万3429人と、カナダの中でも最も多い州だ。
累計死者数も最多で、過去24時間で62人が死亡し、死者数は1万2028人に達した。入院者数も増加しており、現在2742人が入院、255人が集中治療を受けている。
ルゴー氏は「ケベック州ではワクチン未接種者は10%だが、集中治療用の病床の50%を占めている」と指摘。
「ワクチンを拒む人たちは、病院のスタッフに負担をかけている。そしてほとんどのケベック州民に重い金銭的重荷を背負わせている。人口の10%が、90%に危険をもたらすのは間違っている」と述べた。
医療上の理由からワクチンを接種できない人は課税されないという。税額は未定だが、ルゴー首相は「かなりの金額になるだろう」と話している。
ルゴー氏によると、ワクチンを受けていない人たちは、今後数週間以内に少なくとも1度目の接種をしなければ請求書が届く。同氏は「これは、90%の犠牲を払った人たちに対する公平さの問題です。このような対策は90%の人たちに対する責任です」とも述べた。
ケベック州では1月18日から、お酒や大麻をSAQ(州酒類公社)やSQDC(州大麻組合)で買う場合、ワクチンパスポートが必要になる。
ルゴー首相は「ワクチンパスポートの使用も広めていきますが、それ以上のことが必要だ」と説明した。
州がワクチン接種拒否者に強い姿勢で臨む一方で、反対者が法的措置を取る可能性もある。
人権弁護士のジュリアス・グレイ氏はグローバルニュースに、「差別する税金は異議を申し立てられる可能性がある。それがどのようなものになるかはまだわかりませんが、フランソワ・ルゴー首相がやろうとしていることはワクチンの義務化です」と述べている。