山中でクマに出くわす話はたまに聞くが、野生のピューマに出くわす話はあまり聞かない。しかし、アメリカ・コロラド州ではそれが現実になった。
コロラド州の公園・野生動物局の発表によると、事件が起きたのは2月3日、フォートコリンズの町に近いホーストゥース山の自然公園だった。ある男性が登山道をランニング中、何かが背後にいる音がしたので、気になって振り向くとピューマに襲われた。
男性が自衛のために戦った結果、ピューマを殺してしまったという。男性は重傷を負ったが、命の危険はないという。自然公園は4日午後から安全確認ができるまでの間、一般の立ち入りが禁止された。
■手足と周囲にあったものだけで、ピューマを窒息死させた
「それはピューマと人間の命をかけた戦いでした」と、公園・野生動物局のティー・ピーターズバーグ氏は、地元テレビ局「KUSA」に話した。
ピューマに上半身に乗っかられた男性は顔を腕を噛まれ、手足と背中にも傷を負った。彼は何の武器も持っていない状態だったが、手足と周囲にあったものだけで、ピューマを窒息死させた。「本当にクリエイティブです」とピーターズバーグ氏は称賛した。
ピューマは1歳以下の若い個体で、100ポンド(45キロ)以下の重さとみられるという。
■「目や鼻をターゲットにして反撃してください」
公園・野生動物局の北東部マネージャー、マーク・レスリー氏は、以下のようにコメントを出した。
「ピューマの人への攻撃は珍しく、北米での死者数は100年以上にわたって20人未満です。コロラド州では1990年以来、ピューマによる負傷者は16人、死者は3人でした。州内のピューマの生息数は多いですが、身を隠すのがうまく、人前にはほとんど出てきません。野生のピューマを見ることはほとんどありませんが、近くにいます。ピューマの国で暮らしたり、働いたり、遊んだりする場合は、警戒することが重要です」
また公園・野生動物局は、ピューマに攻撃を受けた際の対処法について、過去に、岩や棒や工具や素手を使って追い払ったと紹介した上で、「敏感な目や鼻をターゲットにして反撃してください」とアドバイスしている。