IZ*ONEが活動危機に。人気投票の不正操作に揺れる韓国の『PRODUCE』シリーズ、何が起きたのか?

プロデューサーが逮捕される事態に。IZ*ONE(アイズワン)、X1(エックスワン)の今後をめぐり、ファンの間で動揺が広がっている。
IZ*ONE(アイズワン)
IZ*ONE(アイズワン)
Chung Sung-Jun via Getty Images

日韓合同のアイドルグループIZ*ONE(アイズワン)などを輩出した韓国の人気オーディション番組『PRODUCE』シリーズが、投票操作疑惑に揺れている。11月5日には番組プロデューサーが詐欺と業務妨害などの疑いで逮捕され、同グループ初のアルバムは発売延期が決まった。

いったい何が起きているのか。

『PRODUCE』シリーズとは 日本版も放送中

『PRODUCE』シリーズは、韓国の音楽専門チャンネルMnetで2016年から毎年放送されている人気オーディション番組。ファンからは「プデュ」の略称で親しまれている。

100人近い練習生たちが芸能デビューを目指して歌やダンスなどの課題をこなしていく番組で、デビューメンバーは“国民プロデューサー”と呼ばれる視聴者の投票によって選ばれる。これまでにガールズグループの「I.O.I(アイオアイ)」、「IZ*ONE(アイズワン)」、ボーイズグループの「Wanna One(ワナワン)」、「X1(エックスワン)」がデビューした。

IZ*ONEを生んだ2018年の『PRODUCE 48』ではAKB48グループも参加し、日本でも大きな反響を呼んだ。デビューした12人のメンバーには、HKT48の宮脇咲良、 HKT48の矢吹奈子、AKB48チーム8の本田仁美が含まれている。

さらに、2019年には日本版の『PRODUCE 101 JAPAN』も発足。吉本興業とMCIPホールディングス、韓国のエンターテインメント企業CJ ENMが共同で手がけるプロジェクトで、初回が地上波放送された際にはTwitterで関連ワードがトレンド入りするほど話題を集めた。

番組は11月現在も「GYAO!」で配信されており、12月11日には、11人のデビューメンバーを決める最終決戦がTBS系列で放送される予定だ。

「PRODUCE X 101」放送後に投票操作疑惑が浮上 

ハフポスト韓国版によると、2019年5月から7月に放送された「PRODUCE X 101」終了後に投票操作の疑惑が浮上した。

最終回で人気が高かった練習生が脱落し、注目度が低い練習生がデビューメンバーに選ばれたことが発端だ。さらに、上位メンバーの得票数が一定の倍数であったことから、一部視聴者から不正を指摘する声が上がった。

視聴者らの有志は、真相追及を求める委員会を設立。こうした事態を受けて、Mnetは7月24日、韓国警察に捜査を依頼したことを発表した

▼「PRODUCE X 101」のタイトル曲「X1-MA」。番組放送とあわせて練習生全員が出演するMVが公開される。

プロデューサー2人が逮捕 IZ*ONEの今後は...

9月初旬までには、『PRODUCE』シリーズの全番組に捜査が拡大。ソウル地方警察庁は、番組制作担当者らの携帯電話や資料を押収するなどして捜査を続けていた。

そして、11月5日、ソウル中央地裁は同番組のプロデューサーを務めるアン・ジュンヨン氏、チーフプロデューサーのキム・ヨンボム氏ら2人に対して詐欺などの疑いで逮捕令状を発行。韓国警察が6日までに2人を逮捕した

ハフポスト韓国版など一部メディアによると、アン氏は調べに対し、『PRODUCE X 101』、『PRODUCE 48』両番組での順位操作を認めたという。

逮捕を受けて、IZ*ONEは事実上の活動自粛に追い込まれた。

11月11日に発売予定だった初の1stアルバムは発売延期に。15日にはコンサートフィルム「EYES ON ME : The Movie」が公開予定だったが、事態を受けて中止が決定した。

一方のX1は、11月16日に韓国・ソウルで開催されるコンサート「VLIVE AWARDS V HEARTBEAT」には予定通り出演するという。

両グループのファンからは、不正に巻き込まれたメンバーを気遣う声が上がっている。IZ*ONEのファンが結成した連合は12日、真相解明と事件の再発防止を求める声明をオンライン上に発表した

▼「PRODUCE 48」のタイトル曲「PICK ME」。YouTubeの再生回数は3000万回を超えている。

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