様々な著名人にいたずらを仕掛ける二人のロシア人が、環境活動家のグレタ・トゥーンベリ氏を装ってイギリス王室のハリー王子に「いたずら電話」をかけたとして物議を醸している。
いたずら電話をしたと主張しているのは、「ボバンとレクサス」という名前で知られる、ウラジミール・クラスノフ氏とアレクセイ・ストリャロフ氏の二人のロシア人だ。
このいたずら電話について最初に報じたイギリスの大衆紙「サン」によると、ふたりは2019年12月31日と2020年1月22日に、トゥーンベリ氏と彼女の父親を装ってカナダ・バンクーバー島にあるハリー王子とメーガン妃の自宅に電話をかけた。
二人との会話で、ハリー王子はイギリス王室からの離脱や、トランプ大統領、気候変動など、多岐にわたるテーマを語ったという。
王室との関係については「王室から完全に離れている」とした上で、離脱の決断は「簡単ではなかったが、家族にとって正しい決断だと思っている」と語ったとサンは伝える。
また、ドナルド・トランプ大統領については「石炭産業を後押ししているだけでも、トランプの手は血にまみれている。だけどトランプは、自分を良く見せるために、君に会いたがるだろう。ただ、気候変動について君とは話したがらないだろうね。なぜなら君が議論に勝つだろうから」と話したという。
■目的は、面白い話のネタを提供するためと主張
ストリャロフ氏はBBCの取材に対し、ハリー王子と電話を話したことを認めている。
「(ハリー王子は)色々と話したがっていた。打ち明けて、心の重荷を降ろしたかったようだね」と同氏はBBCに話す。
さらに、いたずら電話の目的は、ハリー王子を意図的に騙すものではなく、面白い話題を提供するためだったと語っている。
「我々はこの会話を、何か面白い話のネタに使いたかったんだ……。だからいたずら電話を、シリアスな話ではなく面白い話にしたんだよ」
ストリャロフ氏は、どうやってハリー王子とメーガン妃の自宅の電話番号を入手したのかは明らかにしていない。
「ボバンとレクサス」のいたずらは悪名高く、バーニー・サンダースやホアキン・フェニックスといった著名人にいたずらを仕掛けたとされる。
CNNによると、2015年にはプーチン大統領を装って、エルトン・ジョンに電話をかけた。いたずら電話だとわかった後、本物のプーチン大統領がエルトン・ジョンに電話をかけて謝罪し、彼らのいたずらは危険なものではないと説明したという。