私の選挙区で、結婚の平等を実現したいと思っている立候補者は誰?
選挙ポスターの前でその疑問に答えてくれるARカメラ「プライドビジョン」が生まれました。
この機能を使うと、選挙ポスターにスマホをかざすだけで、どの候補者が法律上同性カップルの結婚に賛同しているかがわかります。
使い方は、スマホでプライドビジョンのウェブサイトにアクセスしてARカメラを起動し、選挙前に街頭に掲示されるポスターにかざすだけ。
結婚の平等に賛成する候補者の上では、虹色の文字で「賛成」や「どちらかと言えば賛成」という文字とメッセージが表示されます。
プライドビジョンは4月22日から、衆議院東京15区の補欠選挙(4月28日投開票)で実用化される予定です。
それに先駆け、19日から東京・代々木公園で開催されている日本最大級のLGBTQ+イベント「東京レインボープライド(TRP)」のMarriage For All Japan(マリフォー)のブースでも体験できます。
ブース横に設置された架空の選挙ポスターにかざすと、賛同する候補者の上で「賛成」というメッセージが表示されました。
プライドビジョンを開発したマリフォーは、法律上同性カップルも婚姻できる社会を目指す公益社団法人で、これまでも現役の国会議員の結婚の平等への賛否がわかる「マリフォー国会メーター」などを作ってきました。
マリフォーは衆議院東京15区補欠選挙の各立候補者に事前にアンケートを行い、その回答をもとにプライドビジョンを作成しました。
世界では37の国・地域で、法律上同性カップルが結婚できるようになっており、マリフォーは日本でも結婚の平等を実現するよう求めています。
そのために必要なのが、国会での法改正。しかし、世論調査で結婚の平等への賛成が7割を超える中、与党議員に法改正をしようとする動きは見られません。
プライドビジョン開発者の一人は「国民は70%くらいが賛成しているのに、国会議員はまだその数字に追いついていない。結婚の平等を実現するためには、国会議員の賛成比率も70%くらいに上げないといけないと思いました」とハフポスト日本版の取材で話しました。
「選挙では、ポスターで名前と顔を見て『この人良さそうだな』と思う候補者に投票している人もいると思います。新たな投票の選択肢を作りたいと思い、このARアプリを開発しました」
マリフォーの寺原真希子代表理事も「結婚の平等に賛成する人は7割を超えていて、選挙では賛同する議員に投票したい方もたくさんいると思います。ただ、調べるというアクションが増えると投票までつながりにくいのかもしれません」と話します。
「プライドビジョンでは候補者の結婚の平等への賛否が一瞬でわかるので、投票につながり、国政への意思反映がしやすくなると思います」
寺原代表理事は、プライドビジョンは投票する側だけではなく、される側にも関係のあるツールだと話します。
「自身が結婚の平等に賛同しているかどうかがすぐにわかるので、国会議員にもこの問題を考えていただくきっかけになるかなと思っています」
マリフォーでは今後、プライドビジョンとマリフォー国会メーターと連携することも考えているそうです。
また今後は、東京すべての国政選挙でも利用できるようにする予定で、将来的には各地の活動団体などと連携して全国に広げることも視野に入れているといいいます。