社会とのつながりや笑顔の多い人ほど健康に

心身の活性化につながったり、認知症予防になるというのは様々な研究で言われているところです。

ロハス・メディカル論説委員 熊田梨恵

新年明けましておめでとうございます。今年もロバスト・ヘルスで、手軽で役立つ医療記事をお届けしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

さて、年初ですので身近な話題から書きたいと思っています。

筆者も年末年始は自分と夫の実家双方を訪れてきました。休暇というものの、2歳の子連れで長距離を車移動したもので、いまだに疲れが残っています...。

少し自分の話になりますが、筆者の父はパーキンソン病を患っているため、年々体の動きが鈍くなっており、市町村サービスのお世話になっています。それでも積極的に友人との囲碁に出かけていきますし、地域や知人友人との付き合いを大切にしています。以前は高齢者向けの講座や運動教室にも積極的に参加していました。

私は単純に、「お父さんは元々社交的な性格なんだ」と思っていましたが、それは違うということが最近分かってきました。

父は認知症を患う母に、積極的に外出や散歩、お化粧やお洒落をするよう促します。母は気分によって嫌がったりもするのですが、父は「刺激が大事だから」と言います。「家にいると刺激がないから、頭にも体にも良くない。いろんな人たちと交流することが大事だ」と私に話してくれました。特に何か読んだわけでもなく、自分でそうだと確信していて、母にもそう声をかけ、父自身も意識的にそうしているようです。父が友人との囲碁などに積極的に出かけていくのも、もちろん好きだということはあれど、心身の刺激という意味が大きいようでした。

「寒いと腕が痛い」と言いつつ出掛けていく父を、凄いなと思っていました。

社会とのつながりが、心身の活性化につながったり、認知症予防になるというのは様々な研究で言われているところです。

JAGES(日本老年学的評価研究)のこのパンフレットを見ると、「交流」や「社会参加」というものがいかに大事か、とてもよく分かります。

テレビ番組では、「ご長寿はこんなものを食べている!」などと食べ物での老化や疾病予防について盛んに流れますが(スポンサーがつきやすいからでしょうが)、「ご長寿」と言われる人たちは実は地域での集まりに積極的だったり、趣味を持っていたりと、「交流」や「社会参加」を大事にしているということもあるのではないでしょうか。誰かと会ってちょっと話すだけで、自然と笑っていたりしますし、前向きな気持ちになりやすくなると思います。

ロハス・メディカルではこんな記事がありました。

食事や適度な運動はもちろんのこと、「交流」や「社会参加」が今後の高齢社会や介護予防、地域包括ケアのキーになっていくのではと思っています。食事や運動も、集まってすると一層効果的になるということなのでしょうね。

(2018年1月9日「ロバスト・ヘルス」より転載)