参院選の翌日だったために
それほど話題にならなかったような気がしているこのニュース。
まえまえから「これって海にもとうぜんもれてるよね??」と思われていた
福島第一原発の汚染水だけど、選挙のおわったつぎの日に
「やっぱりもれてました......」と発表されていたの。
すこしでも早く発表されていたなら
原発問題が、選挙にでかけるみなさんの目にいくらかとまったかも?
すこしでも遅く発表されていたなら
選挙速報も一段落して、もっとおおきく新聞やテレビにとりあげられていたかも?
と考えると、まるではかったかのように
(東電さんにとって)ベストなタイミングでの発表のような気も。
けっこう重要なできごとだと思うので
関連する記事をいくつかあわせて読み、ポイントをまとめてみるよ。
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東電、海洋流出認める 第一原発汚染水
福島民放 2013年7月23日
(前略)...東電によると、潮位や水位の変化のデータは各担当部署が管理していた。データを突き合わせたところ、21日になって潮位と水位の変化に連動性が確認されたという。東電福島広報部は「社内の情報共有が不十分だった」と謝罪した。発表が22日に遅れたことについては「国や県、漁協への通報を優先したため」としている。
東電は汚染水拡散防止に向け、薬液を注入して地盤を固める工事を1、2号機タービン建屋の海側だけでなく、放射性物質が検出されている5つの井戸周辺全体を囲むように拡大して実施する。3、4号機タービン建屋近くの観測用井戸の海側でも行う。井戸付近にある、トンネル内にたまった高濃度の汚染水については、処理装置で浄化する。トンネルをふさぐ工事も行う。
港湾内の海水の放射性物質濃度は上昇傾向だったが、東電は推移を注視するとして、汚染水の海への流出を認めていなかった。原子力規制委員会は流出の可能性が高いとの見解を示していた。
→規制委員会さんはまえから「もれてるんじゃないの?」と指摘していた
→東電さんは「データはあったんだけど、たまたま21日につきあわせて発覚した」
「国や県への共有を優先したので発表がちょうど22日になった」と説明
→対策として、薬品で地面をかためて壁にする
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福島第1・高濃度汚染地下水 東電、海洋流出認める
河北新報 2013年7月22日
福島第1原発の井戸水から高濃度放射性物質が検出された問題で、東京電力は22日、敷地の汚染地下水が海に流出したことを初めて認めた。「原発の港湾口付近の海水は数値が低く、汚染は原発近くの一部の範囲にとどまる」としている。
東電によると、敷地内の地下水の水位と海水の潮位を調べた結果、地下水と海水の間に水の行き来があることを示す連動が見られ、汚染地下水の海洋流出が裏付けられた。
井戸は地下水の汚染状況を地上からのぞく観測用で、海側に設けられている。1カ月前から高濃度放射性物質の検出が相次ぎ、8日には1リットル当たり最大の63万ベクレル(法定基準の約10倍)のトリチウムが出た。
原子力委員会は10日に「地下水の海洋への拡散が疑われる」と海洋流出の疑いを指摘したが、東電は「海水の数値に有意な変動が見られない」と否定していた。...(後略)
→東電さんは、もれたのは認めたが「原発の近くだけにしかもれていない」と説明
→敷地内の地下水の水位と外の海水の潮位とが連動していることがわかり、
もれていると判明
→規制委員会の「もれているのでは」の指摘を東電さんは否定していた
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福島第1原発:汚染水流出 公表姿勢に批判 規制庁「確認遅れは遺憾」
毎日新聞 2013年07月24日
(前略)...菅義偉官房長官が記者会見で「政府としても大変重く受け止めている。(海洋流出に関する)データは早急に公表すべきだ」と指摘するなど、政府内から東電の情報公開の姿勢について批判の声が相次いだ。
東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は22日の記者会見で「18日に経済産業省や原子力規制庁に対し、海洋流出を裏付けるデータを提供した」と説明。しかし、茂木敏充経産相は会見で「18日の東電の説明は、流出を裏付けるデータが(東電社内に)存在するとの内容で、口頭にとどまっていた」と指摘した。
規制庁の森本英香次長も「18日に提供を受けた資料では流出について断定できなかった」と語り、東電側と食い違いを見せた。その上で「流出の確認が遅れたことは遺憾だ」と批判した。
東京電力は23日、福島第1原発の海側の観測井戸のうち一つで、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質の濃度が1リットル当たり15万ベクレルとなり、この井戸での最高値(1リットル当たり12万ベクレル)を更新したと発表した。...(後略)
→発表の遅さについて政府も疑問視
→海への流出は21日にはじめてわかったわけではなく18日にはすでにわかっていた
→さらに観測井戸では放射性物質の濃度が過去最高に
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社説:原発汚染水の流出/東電任せはもはや危うい
2013年7月23日
(前略)...原発の敷地内にある観測用井戸から2カ月前に高濃度の汚染水が見つかり、その後もずっと検出されていた。海に近い井戸の中の地下水から放射性物質が検出されれば当然、海への流出が疑われる。それでも東電は流出を否定した。
今月になって、国の原子力規制委員会が高濃度の汚染水が地下に染み込み、「海に拡散していることが強く疑われる」と指摘しており、結局はその通りだったわけだ。
外部から言われて追認する結果になってしまったのでは、当事者としての無能力ぶりを証明したに等しい。...(中略)...
東電によると、海への拡散を見抜けなかったのは社内の連絡体制の不備が原因だという。潮位や降雨によって観測用井戸の地下水の水位が変化していたが、そのことが「社内で共有されていなかった」と説明している。...(中略)...何とも首をかしげたくなる話だ。
福島第1原発には危険な放射性汚染水が少なくとも2種類ある。一つは海に近い作業用トンネルの中に、もう一つは原子炉建屋内にたまっている。
このうち建屋内の汚染水は地下水の浸入によって1日に400トンも発生し続け、重大な不安材料になっている。
汚染水が地下水などとともにいったん海に出て拡散したら回収は不可能であり、是が非でも流出させてはならない。...(中略)...福島第1原発の廃炉作業はもはや、極めて緊急性が高い「国家プロジェクト」と位置付け本気で取り組むべきだ。一企業で担い切れないのは明白であり、早めに手を打たないと取り返しがつかなくなる危険性がある。
→東電は社内の連携ミスが発表遅れの原因といっているけど、ほんと?
(隠したんじゃないの?)
→サイト内には汚染水がおおきくわけて2種類ある(トンネルと建屋)
→事故処理は東電という企業一社の手に負えない
手遅れになる前に国家プロジェクトにすべき
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福島第一原発の遮水壁、対策工事は難航
朝日新聞 2013年7月24日
(前略)...現場の1、2号機タービン建屋の観測井戸付近。折からの雨の中、作業灯の強い光に、土中で固まる水ガラス薬剤を注入する機械8台が浮かび上がる。10人の作業員が全面マスク、ヘルメット、白い防護服の上に雨がっぱを着た完全装備で作業していた。
空間放射線量が毎時200マイクロシーベルトと高いため、2時間半ずつの2班交代で、午後7時から午前5時までの突貫工事を続けている。昼間しかできない他の作業との混雑や作業員の熱中症を避けるためだ。
護岸に沿って薬剤を注入し、2列の遮水壁を造る応急対策。しかし今月8日から始まり、中旬には完成する予定だった1列目さえ、半分が完成したばかりだ。東電は、予想外の地盤の固さや熟練作業員の不足を、遅れの理由にあげる。
「マンパワーの強化」を図り8月中旬の完成をめざす。だが同夜、現場を視察した赤羽一嘉・経済産業副大臣も「(東電の対応が)後手後手になっている」と認めた。
また護岸の地中に造る遮水壁の効果について、原発事故直後から建屋を囲む遮水壁を造ることを提案してきた京大原子炉実験所の小出裕章助教は「海側だけ造っても汚染水はやがて脇から流れ出す」と指摘する。
東電は、汚染水の広がりは「汚染拡散を防止するシルトフェンスで囲まれた領域に限定されている」との見方を示す。しかし小出助教は「トリチウム(三重水素)の構成要素は水そのもの。水の出入りを完全に止められないシルトフェンスでは拡散を防ぐには無力だ」と効果を疑問視している。
→土に水ガラスを入れてかため、壁にしようとしている
→現場は線量も高く、昼間の暑さのため、作業がはかどっていない
→経産副大臣さんも対応の遅さを認めている
→東電さんは「海にもれてるけどフェンスがあるからだいじょうぶ」といっているが
専門家は「海のフェンスでは防げない。また、地盤をかためても横から漏れる」と指摘
(※2013年7月25日の「もんじゅ君のブログ」より転載しました)