花粉アレルギーを持つ高齢者は長生き?日本人を対象とした調査で明らかに

1993年から続く群馬県の40歳から69歳を対象とした調査で、2000年時点での花粉症データと、2008年時点での死亡率の関連性が検証されました。

アレルギーと死亡率との関連は過去の研究でも報告されています。今回の研究では、花粉症を患っている中年から高齢者の日本人を対象として、花粉症と死亡率との関係が検証されました。

◆花粉症と死亡率の関係を検証

1993年から続いている群馬県で行われた40歳から69歳を対象とした調査で、2000年時点での花粉症データと、2008年時点での死亡率の関連性が検証されました。

◆花粉症があると、死亡率は低くなる

以下の結果が得られました。

潜在的交絡因子で調整した後、花粉症は有意にすべての原因の死亡率(ハザード比0.57、95%信頼区間0.38-0.87)と腫瘍による死亡率(ハザード比0.48、95%信頼区間0.26-0.92)の低下と関連していた。

花粉症を患っている人は、すべての原因による死亡率が低いという結果でした。

筆者らは、「アレルギー障害(花粉症)を持っている高齢者では、免疫機能がより活発であり、ある種の原因による死亡を防ぐのかもしれない」と述べています。

花粉症と死亡率の関係について、メカニズムは不明です。何かしらの生活習慣が関わっている可能性や、花粉症以外のアレルギーを持っていて、そのアレルゲンが死亡率と関係している可能性もあります。どのような理由で、花粉症があると死亡率が低いのか、今後の検証に期待します。

執筆者:Shuhei Fujimoto (MEDLEYニュース編集部・理学療法士)

◆参照文献

Pollinosis and all-cause mortality among middle-aged and elderly Japanese: a population-based cohort study. Clin Exp Allergy. 2015 Sep 14

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