ロシアの軍事侵攻が続く中、ウクライナに隣接するポーランドやハンガリーなどに、多くの人たちが避難している。
国連難民高等弁務官事務所によると、この2週間で周辺国に逃れた人は250万人に達しているという。
特に多くの避難民を受け入れているポーランドで、母親たちの連帯を伝える1枚の写真が話題になった。
子どもを抱き、避難してきた女性たちへ
ポーランドのプシェミシル駅で撮影された、プラットフォームに置かれた7台のベビーカーの写真だ。
イタリアの報道写真家のフランチェスコ・マラボルタさんが3月3日にTwitterに投稿した。
INSIDERによると、ベビーカーは地元の母親たちや女性団体によって寄付されたもの。駅や学校にベビーカーを寄付したポーランドの母親の1人は、マラボルタさんに対し、「ウクライナからやってくる人たちへの連帯から、ベビーカーを寄付できたことを嬉しく思っている」と語ったという。
プシェミシル市はウクライナ国境に近く、多数の避難民が到着する。
ウクライナから急いで避難する必要性から、ベビーカーを現地に残し、子どもを抱えて避難してきた女性たちが数多くいる。
ウクライナ政府は2月末、徴兵の可能性のある18〜60歳の男性の出国を禁止した。そのため、多くの女性と子どもたちが家族を残して避難しているためだ。
マラボルタさんはNewsweekに対し、多くの女性たちがこの寄贈されたベビーカーを持って行ったと語った。
cbsmorningsのアンカーを務めるトニー・ドクピルさんも自身のインスタグラムにポーランドの人たちが寄贈したベビーカーの写真を投稿。
ドクピル氏は、ウクライナから避難する電車やバスは、ベビーカーを利用するには非常に混雑していると指摘。「多くの女性たちが子どもを腕に抱えて歩いて避難している」と述べた。
CNNによると、プシェミシル駅にはベビーカーだけでなく、オムツやおもちゃ、ぬいぐるみや衣類といった支援物資が無料で置かれている。複数の言語を話せるボランティアらが支援活動にあたっているという。
250万人に達したウクライナから周辺諸国への避難民のうち、特にポーランドに避難する人は6割ほどにのぼっている。