PRESENTED BY Philip Morris Japan

「紙巻たばこからの撤退を目指します」。世界最大のたばこメーカーは、サステナブルな社会のために勇気を持って決断した

フィリップ モリス ジャパン副社長からのメッセージに、会場がどよめいた。

「我々は、紙巻たばこからの撤退を目指します」──世界最大のたばこメーカー「フィリップ モリス インターナショナル(PMI)」の日本法人である「フィリップ モリス ジャパン(PMJ)」。彼らの熱意と勇気が込められた言葉に、会場がどよめいた。 

2月19日からパシフィコ横浜で開催された「サステナブル・ブランド国際会議2020横浜」での一幕だ。

「たばこメーカーのサステナビリティは、自社製品の“害”に向き合うこと」。同社は2020年を「サステナビリティ元年」と位置付けてこのイベントに参加。登壇した井上哲副社長は、サステナビリティ戦略への思いをそう語った。

ASAMI KAWAGOE

加熱式たばこが変えた、サステナビリティへの向き合い方

フィリップ モリス インターナショナルの加熱式たばこ「IQOS(アイコス)」は、日本での販売開始から5年経たずに、日本法人であるPMJの売り上げの50%超を占めるまでに成長。同社の事業戦略は大きく変化している。

そんな中、「たばこ会社だからこそできること、向き合うべきこと」を考えた同社は、2019年11月に日本独自のサステナビリティ優先課題を定めた。この日開催された「サステナブル・ブランド(SB)国際会議2020横浜」を皮切りに、2020年を「サステナビリティ元年」と位置付けて、体系的な取り組みを展開していくという。

PMIでは、サステナビリティ戦略の4つの柱を設定し、SDGsの17項目に関連付けて優先課題を整理している 。その中で共通のメッセージとなっているのが、自社製品の害と向き合い、「煙のない社会を目指すこと」。

PMJは、加熱式たばこ市場の急速な拡大に伴う事業変革などを通して、同社のサステナビリティに関する期待について社内外のステークホルダーと協議。たばこ葉の調達や製品の製造を網羅するPMIとは異なり、日本での事業の主軸はたばこの「販売」という特色も生かし、「加熱式たばこカテゴリーの確立と環境整備」「配慮のある使用を促す取り組み」などを優先課題として打ち出した。

Philip Morris Japan

「サステナビリティ元年」を迎えたPMJが、今後目指す社会とは? スピーカーとしてSB国際会議に登壇した同社の井上哲副社長にイベント後、話を聞いた。

「たばこ会社だからこそ、 “害”と向き合うことからスタートした」

フィリップ モリス ジャパン合同会社 職務執行役副社長の井上哲さん
フィリップ モリス ジャパン合同会社 職務執行役副社長の井上哲さん
ASAMI KAWAGOE

── 昨年11月に日本独自の優先課題を特定するまでには、どのような背景がありましたか。 

井上副社長(以下、井上) 2020年4月1日の改正健康増進法全面施行を控え、喫煙を取り巻く環境はますます変わろうとしています。もちろんこれまでも、喫煙という行為そのもの、たばこ会社に対してもいろいろな意見、見方があるのはずっと感じてきました。

そうした背景があるからこそ、たばこ会社が向き合わなければならないこと、PMIの知見やデータ、加熱たばこ事業が急速に拡大するPMJならではの事業の強みを生かして社会の期待にもっと応えることができないかという思いがありました。

── 「たばこ」と「サステナビリティ」の組み合わせについて、多くの課題もあったのではないでしょうか。

井上 ネガティブなイメージも多い業界なので、より一層信用される内容、やり方が重要です。そのために必要だと考えたのが、簡明でインパクトのあるゴール。つまり、「紙巻たばこからの撤退を目指していく」ということでした。

私たちのサステナビリティは、自社製品の“害”と向き合うことからスタートしています。健康への害、環境への害...そうしたさまざまな害に対し、PMJが持つリソースでどのように解決していけるか考えた結果が、「紙巻たばこからの撤退を目指し、煙のない社会を目指すこと」だったのです。

SB国際会議2020横浜でのセッションの一コマ。井上副社長の言葉に、会場は大きく反応した
SB国際会議2020横浜でのセッションの一コマ。井上副社長の言葉に、会場は大きく反応した
ASAMI KAWAGOE

── 壇場で力強くそう宣言された時、会場がどよめいていましたよね。

井上 私たちにとって非常に勇気が要る決断だったし、もしかすると無謀だと思われるかもしれない。でもその方が鼓舞されるし、誇れる目標でもあるんです。

加熱式たばこIQOSは、日本での販売開始から5年足らずで当社売り上げの50%超を占めるまでに広まりました。煙やニオイの少なさなどの点においては、少しずつ社会に受け入れられつつあるのかなと思う一方、新たなルールやマナーを整備していかなければとも感じています。

喫煙所に紙巻たばこの喫煙者がいたら、せっかく加熱式たばこを選んでいても意味がないですよね。逆に、加熱式たばこだからどこでも使って良いというわけでもない。吸う人にとっても吸わない人にとってもサステナブルな環境作りをしていくことも、私たちの重要な役目です。

── 今回のイベントでは、セッションへの登壇以外の取り組みもありましたが、どのような狙いがあるのでしょうか。

井上 製品以外の、ルールや環境の整備という点は、たばこ会社だけで解決できる問題ではないと思っています。行政や社外の様々なセクター、消費者とも協力していくことが必要だし、その取り組みから新しいアイデアが生まれ、様々な方向からサステナブルな社会の実現にアプローチできたらいいですよね。

そんな思いから、今回は当社とご縁がある方々に登壇していただく『セクターを超えた連携が加速する変革の可能性』と題したランチセッションを企画しました。当社のサステナビリティによる取り組みだけでなく、違った角度から語っていただく場を設けることで、SB国際会議に貢献できればと考えたからです。

2月19日に開催されたランチセッション。写真左から株式会社ミライロの垣内俊哉さん、一般社団法人RCFの藤沢烈さん
2月19日に開催されたランチセッション。写真左から株式会社ミライロの垣内俊哉さん、一般社団法人RCFの藤沢烈さん
ASAMI KAWAGOE

── 「サステナビリティ元年」である2020年から、5年後、10年後の展望について教えてください。

井上 とにもかくにも紙巻たばこからの撤退を目指していくことです。こうした場で、私が声を大にしてその目標を掲げることが、たばこ業界のちょっとした変化や、新たなセクターとの協力につながり、その連鎖がサステナブルな社会の実現に近づく道だと信じています。 

まだまだ手探りですし、たばこを取り巻く環境も私たちの事業も、刻々と変化し続けていく。その状況を見据え、ゴールに向けた道筋、戦略を軌道修正しながら進めていきたいです。 

◇◇◇

もともと、たばこ会社の参加を認めていなかったというサステナブル・ブランドメンバー・ネットワーク。業界の先陣を切ってビジネスモデルを変革すると公言したPMIは、2019年、同ネットワークに加入する前段階にあたる「SB Voyager(ボイジャー:航海者)」プログラムの初めての会員として認められた。

PMJとしては、3回目の参加となった今回のSB国際会議。「紙巻たばこからの撤退を目指す」という熱意と勇気ある決断により、「サステナビリティ元年」にふさわしい大きなインパクトを残したに違いない。 

注目記事