2024年にフランスの首都パリで開催されるオリンピック・パラリンピックの公式マスコット「フリージュ」が11月14日に発表された。ドラクロワの名画「民衆を導く自由」にも登場する帽子がモチーフ。動画ではこの絵で女神がかぶる帽子が変身するシーンが描かれている。
フリージュに関して、日本のSNS上では「フランスのストーリーを創る力や見せ方は本当に上手いなあ」と感嘆する声が出た。2025年大阪万博のマスコットを引き合いに「ミャクミャク様との縁を感じる」という声もあった。
■「自由と愛国心の象徴」となったフリジア帽とは?
組織委員会のプレスリリースなどによると、フランスで「自由と愛国心の象徴」として知られる赤い三角形の帽子「フリジア帽」をモチーフにしたキャラクターだ。オリンピックとパラリンピックでほぼ共通のデザインだが、パラリンピックの物は右足が義足になっている。
毎日新聞などによるとフリジア帽は、古代ローマ帝国の解放奴隷が身につけていたことで知られている。フランス革命では「サン・キュロット」と呼ばれた急進派の民衆がかぶっていた。
1830年の7月革命の際、巨匠ドラクロワは「民衆を導く自由」の絵画を描いた。フランス国旗を掲げて民衆の先頭に立っているのは、フリジア帽をかぶった自由の女神「マリアンヌ」だった。
■ドラクロワの名画がマスコットに変身する動画を投稿
パリ五輪の公式Twitterは、フリージュの紹介動画を14日に投稿した。「民衆を導く自由」の絵にズームインすると、マリアンヌの頭にあるフリジア帽に目と足などが生えてフリージュに変身するという内容だ。こんなキャプションがついている。
「オリンピックのフリージュとパラリンピックのフリージュは、常にトレーナーを着用している人々の先頭に立ちます。小さなフリジア帽がスポーツを通じて革命を起こし、2024年のパリ大会に連れていってくれるのだから申し分ありません!」