「働く女性」と聞いて思い浮かべるイメージは何でしょうか?
残念ながら、多くの方にとって「働く女性」は会社でスーツ姿で仕事をする女性のようです。
しかし実際にはオフィスで働く会社員以外にも多様な職業があり、職業選択の自由があります。それでもイメージできないのは、メディアや広告で目にする機会が少ないからではないでしょうか。
ストックフォトや報道写真という形で「イメージ」を配信する当社を含め、固定観念の形成に影響のある企業はその責任を意識し、多様でリアルなビジュアルを使用することが求められています。
それに応えてゲッティイメージズでは多様性に富んだ、現代的なイメージを制作、提供していきます。
ロンドンで行われたLGBTイベント「Pride in London」のメディアパートナーに任命
2018年7月7日にロンドンにて開催された「Pride in London 2018」において、ゲッティイメージズはメディアパートナーとして世界中にイベントの模様を配信しました。
メディアパートナー任命に際して、ゲッティイメージズCEOのドーン・エイリーは、「イメージは、肯定的な意識を作り出し、間違った概念を正す力を持っています。Pride in London 2018には、ひとりひとりの個性と、コミュニティとしての包括性を認め合う、文化的に大きな行事です。ゲッティイメージズでは、ビジュアルを通して多様な声を高めることに力を入れ、LGBTにおける正しい理解を世界中に届けることが重要であると考えています」と発表しました。
また、毎年10億回以上の検索、4億点のダウンロードが行われるゲッティイメージズサイトの利用動向を見ると、LGBTに関連する検索ワードが上昇している結果が出ています。
性別に関する検索ワードでは、「gender fluid(性の流動性)」が214%、「ジェンダー・ニュートラル」が86%、「トランスジェンダー」が43%、「ジェンダー・アイデンティティ」が79%、昨年に比べて増加しており、性の多様化に関するキーワードが増加傾向にあります。また、LGBTコミュニティに関する検索ワードでは、「LGBTフラッグ」が47%、「LGBTの抗議」が61%、「同性愛者の誇り」が39%、「LGBTQ」は250%昨年に比べて増加しています。
2000年代になってから多くの国で同性結婚が認められ、社会のLGBTへの理解度は向上しています。ゲッティイメージズでは、この検索結果や社会のニーズを読み取り、より多くの人がLGBTについて正しい理解を得るために、多様なイメージを配信します。
広告やメディアで見られるのはたった2%以下。障害を持つ人々のビジュアル「Disability Collection」
全人口の20%を占めると言われる障害者。しかし広告やメデイアで見られるのは2%以下。しかも多くの場合、固定概念に囚われた表現になっています。こういった状況を変えていくため、Oath、National Disability Leadership Alliance(NDLA)とゲッティイメージズが共同で、障害を持つ人々の自然でリアルなビジュアルを募集し、配信しています。
日本の企業「GREE」では、5年前まで障害者は書類をシュレッダーにかける作業が主でしたが、今ではコンピューターのバグ対策や、ゲームの登録商法を調べるなど、仕事の領域が拡大しています。(参照記事:2018年5月10日付、FINANCIAL TIMES)
2016年から2017年におけるゲッティイメージズの検索キーワード件数の変遷でも、「障害を持つ労働者」は254%の増加傾向にあり、日本のみならず国際社会における障害者労働のイメージ需要が高まっていることがわかります。
このコレクションに対して:
このコレクションは日常の生活風景における障害者を表現する必要があると考え、作られました。
障害の有無だけでなく、男女、趣味、職業など、被写体が普段の自分を表現している写真の需要が増えており、オーセンティックで活き活きとしている姿をとらえた写真に人気があります。
特に、障害者を被写体とした写真は、演出を加えることが難しいと捉えられていますが、どの写真も自然な表情や動きが撮れている点が素晴らしいと思います。
<Kumi's EYE>こんなに親密に障害者の生活をとらえた写真がこれまでなかった。被写体が家族だからこそ撮れる写真。
<Kumi's EYE>興味が惹かれる個性的な女性という印象を与えてから、後で障害をもっていることに気が付くので、個人の魅力を上手に捉えているところがユニークな1枚。
<Kumi's EYE>これも一見しては、障害者だとはわからない写真。障害者が走る、歩く、泳ぐ、車椅子スポーツをしているというシーンはあるが、ヨガというマインドフルネスの活動をしている姿が新しい。
<Kumi's EYE>テーマはお父さんと子供の写真であるが、実は障害者でもある。さりげなく車椅子があることで、障害者と気が付かせるところが素晴らしい。
ムスリム女性の認識改善を目指す「Muslim Girl Collection」
今年6月24日、サウジアラビアで初めて女性による自動車の運転を認める法律が施行され、現地の女性の喜びの声が伝えられました。
これからは「運転するムスリム女性」という今までになかったイメージが求められるでしょう。
米国のムスリム女性最大のオンラインプラットフォームである「MuslimGirl.com」と2017年3月8日の国際女性デーに独占提携しました。このストックフォトの目的は、現代を生きるリアルなムスリム女性たちの様々な素顔を撮影し、広めることで、世間一般に蔓延しているムスリム女性に対するステレオタイプを拭い去ることです。メディアや広告におけるイスラム圏コミュニティやムスリム女性に対する間違った認識の改善を目指し、共同でビジュアルコンテンツを制作しています。ヒジャブ着用の女性から、ヒジャブを着用していない女性、家庭や仕事場で活躍する女性など、ムスリム女性の日常を切り取った写真が展開されています。
このコレクションに対して:
ムスリムガールの写真は、女性達のおしゃれさや、はつらつとした表情に驚かされました。
日本では接する機会が少ないイスラム教徒は、行動や食事に制限が多い印象で近づきにくいと思われがちですが、このような写真を見ると身近に感じられるのではないでしょうか。
最近の観光客としてのムスリムが増えている状況やイスラム圏の市場としての発展から、このような写真のニーズが今後高まると考えます。日本の契約フォトグラファーにも、ムスリムの友人を撮りはじめている人がいます。
そしてDisability Collection同様、慣習やヒジャブの巻き方を知っている、本当のムスリムを被写体としないと撮れない写真。ストックフォトでもモデルが自分の服で、自分のライフスタイルを表現することが増えています。
<Kumi's EYE>ムスリムも私達と同じだということを感じさせ、今までのステレオタイプなムスリムの印象とは違う点が映し出されている。ヒジャブスター(ヒジャブをしたモデルやインフルエンサーやブロガー)が最近目立ち始めているのでこれからもこういった写真が増えてくると良い。
<Kumi's EYE>ムスリムの中のダイバーシティ(ヒジャブをつける、つけないなど)と外で運動している強い女性像が映し出されている点が新鮮。ムスリム女性の固定概念が崩される写真。