生まれつきの茶色い髪、黒くしないと校則違反?教師の本音は87%が「髪型校則変わっていくべき」

社会全体で髪型校則の意味を考え直すキャンペーンを展開するという。

どうして髪の毛は黒じゃないといけないのだろうか?うなじが見えるとダメなのか?

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大手生活用品メーカーP&Gが、中学校や高校の髪型を規定する校則について考えるキャンペーンを開始する。「#この髪どうしてダメですか」というハッシュタグを付けてTwitterなどで多くの学生や大人たちに疑問を投げかけたいとしている。

■「地毛証明書」の理不尽

P&Gの広報担当者によると、プロジェクトが開始されたのは2018年。

生まれつき髪が茶色い学生に対し、学校側が黒く染めるよう指導したり、くせ毛がパーマでないことなどを示す「地毛証明書」を提出させたりしている実態に疑問をもったという。

■生まれつきの髪、染めるよう指導

P&Gはリサーチ会社を通じて現役中高生や教師、それに一般の大人など合計1000人を対象に、髪型を規定する校則に関する意識調査を実施した。

それによると、現役中高生や卒業生の13人に1人が、茶色など生まれつきの髪色を黒く染めるよう指導された経験があった。

学生たちからは他にも、「(側頭部を刈り上げる)ツーブロック禁止」とか「うなじが見えると男子が興奮するからダメ」といったルールに疑問を呈する声が上がっているという。

しかし、学生たちの69%「自由な髪型が許されても良い」と考える一方で、髪型の校則がある理由を教師に聞いたことがあるのはわずか9%に留まる。

髪型について、面と向かって教師と話し合うことが出来ないことが課題として挙げられた。

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 ■教師からも疑問

調査には、現役の中学校・高校の教師200人からも回答が寄せられている。

それによると、全体の70%「勤務している学校の髪型校則に疑問を感じている」と答えている。さらに、87%「時代に合わせて、髪型校則も変わっていくべきだと思う」と感じていることもわかり、指導する立場の教師たちも校則を考え直す必要があると考えている実態が明らかになった。

一方で、校則は「長年続いている文化で声をあげにくい」といった回答もあった。

 ■キャンペーンを展開

P&Gは、こうした調査結果を元に、社会全体で髪型を規定する校則について考えるキャンペーンを展開する。3月18日に新聞に広告を掲載するほか、27日にはこの問題について考えるラジオ番組を放送する。

プロジェクトの責任者を務めるP&Gの大倉佳晃アソシエイト・ブランド・ディレクターは「学生の個性が尊重される社会になることを少しでも応援していけたら」とコメントしている。