多くの猫好きは、猫が前足でフミフミしたり、あごをこすりつけたり、リビングを駆け回ったりするのを眺めているだけで幸せになれるのではないだろうか。
私たちに多くの喜びをもたらしてくれる猫に、喜んでほしいと願うのは自然な感情だろう。
私たちは猫に愛情を注ぐ時、どんなことに気をつけるべきなのだろうか?
ハフポストUS版のポッドキャスト「Am I Doing It Wrong?」は、猫の行動学者であるミケル・デルガド博士に、なでる時に知っておきたい秘訣を聞いた。
猫をなでる時、どんなことに気をつければいい?
デルガド氏は、猫をなでる時には、霊長類である人間と猫の違いを心に留めておく必要があると話す。
「基本的に、私たちは人間は物に触れるのがとても好きな生き物です。中でも、口や唇で触るのが好きなので、猫にキスをしたり、なでたり、抱きしめたくなります」
一方、猫は触る・触られることに関しては「回数は多く、強度は低く」の生き物だという。
デルガド氏は「猫はたくさんの短い交流を好みます。激しいものではありません」と話す。
「『長時間なでてあげたい』と思ってなで続けると、噛まれることがあります。私たちは、なで過ぎを『過剰刺激』あるいは『なで攻撃』と呼んでいます。過剰刺激かどうかは、それぞれの猫の好みに基づいています」
猫が尻尾をピクピク動かしたり、不機嫌そうな鳴き声をあげたり、耳を大きく動かしたりしている時は、触られてイライラしているサインだという。
「『もう十分』と伝えるために、人を噛んだり引っ掻いたりすることもあります。その時点で、猫にとって撫でるのはもはや楽しいことではなく、苛立たせるものになっているのです」
長くなでられるのが嫌な場合もあれば、触っている部位が気に入らないこともある。両方嫌いな猫もいるという。
デルガド氏は「私が飼っている猫は、頬やあごやおでこであれば、何時間なでても大丈夫です。しかし、首から下は『イエローゾーン』と呼んでいます。ここは危険なエリアです。さらに、『レッドゾーン』と呼ばれる部分もあります」と話す。
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デルガド氏によると、過去の2つの研究からほとんどの猫は、首から上をなでられることを好むことがわかっている。
しかし他の場所は不確実であり「猫次第」だという。その中でも、研究からわかった、多くの猫が最も嫌がる「レッドゾーン」は、お腹、尻尾の付け根、足だったという。
もちろん、すべての猫がこれらの場所に触れられるのを嫌がるわけではない。
デルガド氏は「科学的な研究では、このような結論になっていますが、常に個体差が存在します」と説明する。
「私自身、お腹をなでられるのが好きな猫を飼っていたこともあります。ですから、すべての猫がお腹を嫌がるとはいえないと思います。ただし科学的な観点からいえば、ほとんどの猫はお腹をなでられるのを好みません」
デルガド氏は、初めて触れる猫の場合はまずは相手に手を差し出し、匂いを嗅がせたり頭をなすりつけたりさせた後に、頬やあご、額を優しくなでることを勧める。
「安全な首より上から始めるのが良いでしょう。それ以外は危険なエリアに踏み込むことになります」
もちろん、猫に触れてはいけないというわけではない。なでる時間を短くしたり、体の特定の場所を避けたりしながら、猫がどう感じているかを注意深く観察する必要がありそうだ。レッドゾーンも、問題ないという猫であればなでても大丈夫だ。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
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