丸の内で診療を始めて約1ヶ月経ちました。
患者さんたちには、職場から近くて便利だと言っていただいています。働く女性の多い丸の内に開院してよかったな、と思っています。
丸の内に来てびっくりしたのは、生理痛(月経困難症)で受診される方がとても多いということです。
女性の4分の3は生理痛や過多月経、PMS(月経前症候群)など、月経周期に関連する症状に悩まされているので、生理痛の患者さんが多いのは当然のこととも言えるのですが、他の町ではそこまで多くなかったかも。
生理痛は当たり前だと思って耐えている方はとても多いですが、丸の内の女性は「これはおかしい」「このまま振り回されるのは嫌だ」と思って行動を起こされる方が多いのでしょうか。とても嬉しいことだと思います。
↑監修させていただいたアイセイ薬局さんのヘルスグラフィックマガジンなのですが、表紙が秀逸です。
ツイッターなんかでも、生理痛が重いことをネタにされている投稿がバズっているのを見ますが、
ネタにしてる場合じゃないです!!
と声を大にして言いたいです。(「ネタにしている場合じゃない」投稿もバズるんですが、ネタ投稿には遠く及ばない・・)
生理を、「デトックス」や「女の証」などの意味付けをする人もいますが、排卵と月経はそもそも生殖(妊娠)のためで、妊娠を望んでいない時には体にとってプラスになるものではありません。そればかりか、生理のたびに月経血が卵管を通ってお腹の中に逆流し、子宮内膜症の引き金になるリスクがあるので、生理は体にとって負担になります。
中でも、生理痛がある人はない人に比べて将来子宮内膜症を発症するリスクが高いと言えます。(2.6倍になるという報告もあります。)また、思春期の時点で生理痛のある人の7割にすでに子宮内膜症病変があるとの報告もあります。
子宮内膜症は不妊症の原因の一つです。
生理痛は「あって当たり前」「どうしても我慢できなくなるまでは我慢すべき試練」ではありません。(母から子へそのように申し送られることも多いようですが・・)もちろん「将来の陣痛に備えて耐性をつける」ためのものでもないです。
生理痛を我慢したり、痛みを消すだけでは、健康や人生計画にデメリットです。
色々方法があるので、産婦人科に相談してくださいね。
(2017年10月25日「宋美玄オフィシャルブログ」より転載)
ハフポストでは、「女性のカラダについてもっとオープンに話せる社会になって欲しい」という思いから、『Ladies Be Open』を立ち上げました。
女性のカラダはデリケートで、一人ひとりがみんな違う。だからこそ、その声を形にしたい。そして、みんなが話しやすい空気や会話できる場所を創っていきたいと思っています。
みなさんの「女性のカラダ」に関する体験や思いを聞かせてください。 ハッシュタグ #ladiesbeopen も用意しました。 メールもお待ちしています。⇒ladiesbeopen@huffingtonpost.jp