これがブラインドサッカーのPKだ。パラの試合に反響。「凄さに気づいていなかった」

目の見えない選手はどうやってゴールの場所を把握しているのでしょうか
フランス・パリのエッフェル塔スタジアムで行われたパリパラリンピック、ブラインドサッカー男子予選のフランスとの試合で、2点目を決めて喜ぶブラジル代表のジャルジエル・ヴィエイラ・ソアレス選手(2024年9月2日)
フランス・パリのエッフェル塔スタジアムで行われたパリパラリンピック、ブラインドサッカー男子予選のフランスとの試合で、2点目を決めて喜ぶブラジル代表のジャルジエル・ヴィエイラ・ソアレス選手(2024年9月2日)
Franco Arland via Getty Images

視覚障害のある選手がプレーするブラインドサッカーでは、一般的なサッカーでは見られない光景が繰り広げられる。

PK(ペナルティーキック)もその一つ。NBCが9月3日に投稿した、パリパラリンピックのブラジル対フランスの試合のPKがSNSで反響を呼んでいる。

映像では、ブラジル代表のジャルジエル・ヴィエイラ・ソアレス選手がPKでボールを蹴る前に、ガイドがゴールの両サイドを叩いている。

これはゴールの位置を知らせるためで、ジャルディエル選手は音を頼りに場所を把握してボールを蹴り、見事にシュートを決めた。

NBCの投稿には、ジャルジエル選手の技術を称えるコメントのほか、「これまでブラインドサッカーの凄さを気づいていなかった」「通常のPKよりも感銘を受けた」「誰もがプレーできるような競技にしていて素晴らしい」などの反応が投稿されている。

ブラインドサッカーは伝統的なサッカーに似ているものの、様々な視覚障害者が参加できるようにするための調整が加えられている。

視覚障害は、視機能が全くない人から一定程度は見える人まで、人によって障害特性が異なる。公平を期すために、フィールドプレーヤーは全員目隠しをし、ゴールキーパーは一定程度視力のある選手が担当し、目隠しはしないというのがルールだ。

NBCの動画にあるように、選手に加えて、声を出してゴールの位置やピッチの状況を選手に伝えるガイドも認められている。

全盲のフィールドプレーヤーが頼りにするのが「触覚」や「聴覚」など、視覚以外の感覚だ。

ブラインドサッカーのボールの中には金属の粒が入っており、動くたびに音が鳴る。選手たちはこの音を頼りにボールの位置や転がり方を把握する。

選手たちが音を聞けるよう、観衆はプレー中は静かにするよう求められている。

また、選手はボールを持った相手に向かって行く時など、衝突の危険がある場合には「ボイ!(スペイン語で 「行く」を意味するVoy)」と声を出して、自分の存在を知らせなければならない

ピッチは長さ40メートル、幅20メートルの長方形で、ボールがラインの外に出ないよう、サイドに低いフェンスが設置されている。

ブラインドサッカーは2004年のアテネパラリンピックで導入された。それ以来、ブラジル代表チームがすべての大会で金メダルを獲得し、圧倒的な強さを見せている。

それは2024年も変わらず、9月2日のフランス、3日の中国との試合に勝利。5日に予定されている男子準決勝でアルゼンチンと対戦する。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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