太平洋戦争の開戦の火蓋を切ったあの日から、きょう12月8日で80年を迎えた。あの日、現地では何が起きていたのか。現存する資料写真とともに振り返る。
真珠湾攻撃に向けて、日本軍は入念な準備をしていた。主要基地である真珠湾を奇襲攻撃することで、アメリカ人の戦意を喪失させ、短期決戦を狙っていた。後に真珠湾攻撃で撃墜された日本軍機からは、アメリカ軍の戦艦の配置を示した図も見つかっている。
日本軍が作成した真珠湾のアメリカ軍の艦船の配置を示した地図
空母から出発の準備をする日本海軍の九九式艦上爆撃機
真珠湾攻撃に向かう戦闘機を見送る空母「翔鶴」の乗組員
現地時間で1941年12月7日午前8時ごろのことだった。日本時間8日午前3時ごろに当たる。日本軍による真珠湾攻撃で、アメリカ海軍基地から白煙が立ち上った。
最初の攻撃対象とされているのは、真珠湾内にあるフォード島基地や、オアフ島本島のヒッカム飛行場。日本軍の航空部隊が奇襲で爆弾を投下すると、爆発・炎上した。
奇襲攻撃を受けるフォード島基地
真珠湾攻撃で、奥のヒッカム飛行場から白煙が上がる
ヒッカム飛行場の11番格納庫
爆破された後、ヒッカム飛行場にたどり着いたアメリカ軍の爆撃機
その後、太平洋艦隊が誇る「カリフォルニア」「ウェストバージニア」「オクラホマ」そして「アリゾナ」といった戦艦、駆逐艦「ショー」も標的となった。
日本軍機が投下した爆弾や魚雷によって爆撃され、辺りはまたたく間に黒煙に包まれた。犠牲者はアメリカ側の約2400人に対し、日本側は約60人だったという。
戦艦「ウェストバージニア」が炎上
爆撃され、沈む戦艦「アリゾナ」
駆逐艦「ショー」爆発の瞬間
奇襲により、アメリカ軍の戦艦8隻を撃沈または行動不能とする戦果を上げた。だが、その後に引き上げられた「ウェストバージニア」を始め、6隻が戦列に復帰。空母3隻はハワイを離れていたため無傷で、決定的なダメージを与えることはできなかった。
真珠湾攻撃は日本がアメリカに、交渉打ち切りの最後通告をする1時間前に行われた。「騙し討ち」となった真珠湾攻撃は、アメリカの士気を高める結果となった。アメリカ政府は「リメンバー・パールハーバー（真珠湾を忘れるな）」とスローガンを掲げ、開戦ムードへと傾いた。
そして真珠湾攻撃の翌日8日。フランクリン・ルーズベルト大統領は日本への宣言布告の署名をし、ここから3年9カ月に及ぶ太平洋戦争に突入していった。
宣戦布告に署名するルーズベルト大統領
【参考文献】
・「図説 太平洋戦争 16の大決戦」（編：太平洋戦争研究会、著：森山康平、河出書房新社）
・「図説 太平洋戦争」（編：池田清、著：太平洋戦争研究会 、河出書房新社）