アメリカ・ペンシルベニア州で、14歳トランスジェンダーの若者が切断された遺体で発見された。地元警察は7月2日、この事件の容疑者として29歳の人物を逮捕した。
オハイオ州のテレビ局WFMJによると、14歳のポーリー・ライケンスさんは6月22日夜に友人宅を出た後行方がわからなくなり、その後シェナンゴ湖の近くで遺体が発見された。
ライケンスさんはこの日友人宅に泊まると家族に伝えていたが、午後9時30分頃に「歩いて家に帰る」と言って友人の家を出たという。
オハイオ州のテレビ局WKBNによると、ライケンスさんは翌23日午前2時30分頃に、暗い道路の画像と「夜の散歩をしている」という内容のコメントをスナップチャットに投稿。
友人が安否を確認するメッセージを送ったところ「大丈夫」という返事があったものの、その後のやりとりには返信がなかったという。
ライケンスさんの姿が最後に確認されたのは湖のある大きな公園の近くで、監視カメラの映像にはライケンスさんが誰かを待っているかのようにゆっくりと歩き、立ち止まる姿が映っていた。
同じ頃、ライケンスさんがいた場所の近くに1台の車が停まり、その後近くにあるアパートへと戻る様子も監視カメラに捉えられていた。
この映像を最後にライケンスさんの行方はわからなくなった。捜査から、監視カメラに映っていた車を運転していたのは29歳のダショーン・ワトキンス容疑者であることが判明。
映像には、ワトキンス容疑者が大きなダッフルバッグを運ぶ姿や、翌24日にはゴミ袋を持ってアパートを何度も行き来する様子が映っていたという。6月25日にライケンスさんの捜索願が出され、その日に警察が遺体を発見した。死因は鋭器による外傷だった。
警察は7月2日にワトキンス容疑者を殺人などの疑いで逮捕した。自宅アパートからは血痕や替刃式ノコギリを購入したレシートが見つかったという。
またWKBNによると、ワトキンス容疑者は「LGBTQコミュニティ向けの出会い系アプリGrindrを介して誰かに会ったが、ライケンスさんが最後に確認された場所に行ったかどうかは記憶が定かではない」と警察の取り調べで答えた。
地元のLGBTQ団体の代表パメラ・ラドナーさんは「ライケンスさんの家族は事件をヘイトクライムだと考えている」とハフポストUS版の取材に述べた。
また、ラドナーさんはライケンスさんは先週土曜日に15歳の誕生日を迎える予定だったとABCにコメントしている。
「母親は誕生日を祝う代わりに、葬儀を計画しなければなりません」
「若い人たち、特に特にLGBTQの若者の権利擁護活動や安全は、本来あるべき場所からまだまだ遠いのです」
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。