韓国憲法裁判所の罷免宣告を受けて失職した朴槿恵(パク・クネ)前大統領が12日午後、青瓦台(大統領府)の官邸を出てソウル・三成洞にある自宅に到着した。
私は朴前大統領と同じ区内に住んでいるため、昨夜の出来事は人ごとではなかった。
800人以上の報道陣や朴前大統領支持者が詰めかけたため、辺りは混雑状況となった。
連日韓国で放送される朴前大統領への糾弾報道を見ていると、朴前大統領支持者は一人もいないのではないか、と思ってしまう程であったが、昨夜は朴前大統領の自宅前に韓国の国旗を手にし、前大統領の帰宅を待つ支持者が沢山いるということに驚いた。
一夜明け、朴前大統領の自宅付近に行ってみた。
【13日午後ソウル・江南区三成洞】
バス4台以上の機動隊が警護する状況である。
朴前大統領の自宅前には沢山の報道陣と支持者が詰めかけている状況だ。
本日(13日)午後には支持者が増え始め、特に年配の支持者が多く見られた。
「朴槿恵大統領!」と声高らかに呼びかける人も現れた。
この女性は、「朴槿恵大統領、頑張って下さい!4000万人の国民が一緒です。」
と、手書きのメッセージを手にして長い間、前大統領を見守っていると言う。
朴前大統領はどんな心境で自宅で過ごしているのか。
今回の事件によって国民の信頼を裏切った事はまちがいない。
しかし、大統領という絶対的な地位で精神状態をニュートラルに保つと言う事は非常に大変であったと思う。
そして何より韓国初の女性大統領と言う事で多くの国民の希望とプレッシャーを背負っていたのではないかと感じる。
朴前大統領は意思疎通を欠く「不通(プルトン)」と呼ばれた政治スタイルであったと言われているが、自分自身の意思を聞いてもらえる信頼できる人たちに恵まれていなかったのではないか、と感じる。
朴前大統領は真実を明らかにし、事態が一日でも早く落ち着く事を在住者として祈ってやまない。