東京2020大会から、アメリカはオリンピックとパラリンピックのメダリストに支給する報奨金の格差を撤廃した。
オリンピックとパラリンピックのメダリストの報奨金を同額にすると米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)が発表したのは、平昌大会後の2018年だ。
新ルールは平昌パラリンピックのメダリストにもさかのぼって適用されたが、最初から平等な報奨金支給が約束されているのは、東京大会が初となる。
この報奨金の平等化について、USOPCのサラ・ハーシュランドCEOは2018年に「アスリートの世界で、パラリンピアンは欠かせない存在であり、私たちは彼らの功績に対して、適切な報奨金を支払う必要がある」と語っている。
改定後、オリパラ両大会の金メダリストには3万7500ドル(約413万円)、銀メダリストには2万2500ドル(約248万円)、銅メダリストには1万5000ドル(約165万円)が支払われることになった。
ニューヨークタイムズによると、それ以前はパラリンピック選手は金メダル7500ドル(約83万円)、銀メダル5250ドル(約58万円)、銅メダルは3750ドル(約41万円)であり、大きく引き上げられた。
日本の報奨金は?
日本では、オリパラのメダリストに対する報酬金額は金メダルだけが異なる。
オリンピックの報奨金は金メダルが500万円で銀メダルが200万円、銅メダルは100万円。
一方、パラリンピックは金メダルが300万円で、銀メダルが200万円、銅メダルが100万円だ。
オリンピックの金メダル報奨金は2016年リオ大会から500万円に引き上げられ、それ以前は300万円だった。
金メダルの報奨金額が異なる背景には、支給する団体が違うという事情がある。
オリンピックの報酬金を支給するのは日本オリンピック委員会(JOC)で、パラリンピックは日本障がい者スポーツ協会(JPSA)だ。スポーツ庁によると報奨金額は「それぞれの財政状況で決めている」という。
ただ、オリンピックとパラリンピックの管轄組織が異なること自体が「格差」なのかもしれない。
「米国オリンピック・パラリンピック委員会」はかつて「米国オリンピック委員会」という名称だったが、2019年に改名した。また、それまでパラリンピック委員会は、オリンピック委員会の下にある組織だった。
委員会の名前に「パラリンピック」が加わり同等の扱いになったことについて、パラリンピック水泳のジェシカ・ロング選手は「ようやくここまできた」とニューヨークタイムズに喜びを語っている。