国内のスターバックスの全店舗で、2020年からストローがプラスチック製から紙製に切り替わることになった。コンビニ大手「セブン-イレブン」でも11月から順次、プラスチック製ストローが廃止され、紙ストローなどが導入されている。その背景を調べてみた。
■スタバが2020年3月までに国内全店舗で導入へ
スターバックスコーヒージャパンは11月26日、国内のスターバックスで2020年1月からプラスチック製ストローを紙ストローに順次切り替えると発表した。
3月までに国内全店となる約1500店に導入する。5月からは一部のフラペチーノなどに使う太いストローも紙製に順次切り替える。この2種類合わせて年間約2億本のプラスチック製ストローの削減につながるという。
アメリカのスターバックス本社は2020年末までに全世界のスターバックスで、使い捨てのプラスチック製のストローを全廃することを2018年7月に発表していた。
■海洋プラスチックの汚染が深刻に…
紙ストロー導入の背景には、プラスチックごみによる海洋汚染への関心が高まっていることがある。プラスチックごみが海に流れ込み細分化され、微小な粒「マイクロプラスチック」となる。
分解されるまで数十年から数百年かかるとされるが、すでに、魚や海鳥など生き物の体から見つかるなど汚染が深刻になっている。
有識者らが集まる世界経済フォーラムのダボス会議は2016年、少なくとも世界で年間800万トンのプラスチックが海に流出していると推計した。「2050年までに海のなかのプラスチックが世界中の魚の量を超えてしまう」という試算だった。
EU理事会は5月、使い捨てプラスチック製品の流通を2021年までに禁止する法案を採択した。ストローやカトラリーなど一般的に利用されている使い捨てプラスチック製品が禁止対象となる。
■国内でも続々と紙ストローなど導入
海外でのこうした動きを受けて国内の飲食業も動き出した。
外食チェーンの「和民」でも6月から、プラスチック製ストローを廃止し、竹製ストローに切り替えた。
コンビニ大手「セブン-イレブン」でも11月から全国の店舗で、自分でコーヒーを淹れる「セブンカフェ」でプラスチック製のストローを順次廃止。微生物が分解できるバイオポリマー製のストローもしくは、紙製ストローに切り替えている。
洋菓子メーカーのヨックモックでは、環境に配慮した“食べられるストロー”を開発した。6月6日から30日まで、ヨックモック青山本店のラウンジで、このストローが付いた期間限定のドリンクメニューを提供した。
■マクドナルドが導入した紙ストローに、こんな問題も…。
その一方、紙ストローに変えたことで逆に環境負荷が増えたとみられるケースも出てきた。
ファストフード大手のマクドナルドは、2018年内にイギリスとアイルランドで紙ストローに切り替えた。2025年までには全世界の全店舗で、プラスチック製ストローの廃止する予定だ。
しかし、イギリスとアイルランドでの導入で紙ストローの意外な欠点が明らかになった。
イギリスの大衆紙「サン」が入手した内部文書には、従来のプラスチック製ストローはリサイクル可能だったのに対して、紙製のストローは紙が厚すぎてリサイクルできないことが書かれていたという。
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