看板職人「失われつつある技」に驚嘆の声 多摩美で披露(動画)

この文章、下書きなしの手書きって、信じられる?

多摩美術大八王子キャンパスで11月4日に開かれた芸術祭のイベントに登場した男性が、Twitterで話題になっている。

大看板に下書きなしで、美しいレタリングでメッセージを書き上げたのだ。

男性は大阪府貝塚市で看板屋を営む「サインズシュウ」さん。

Youtubeブログであげている、その仕事ぶりが、感嘆のため息が出るレベル。

現場に定規・筆記用具・ペンキ・筆だけ持って行き、その場で大きさや書体を聞き 下書きをしてから書き出す という昔ながらのスタイルで書き上げました。 現代は仕上がりの合成写真を先に見せたりするのが常識になってますが、かつての看板屋は このやり方でした。(サインズシュウさんのYoutube チャンネルshu kanba)より)

Twitterでは「手書きが出来る看板屋の最後の世代の職人です。失われつつある日本特有のレタリング技術です」と自己紹介している。

最後の世代とは、どういうことなのか。ハフポスト日本版の取材に対し、サインズシュウさんは「今から約25年前、看板文字のPC化が急激に広がり始めた少し前に、弟子入りして習得した技術なので、それ以降に職人が生まれる事は不可能です」と説明する。

「 恐らく日本全域でこの書き方ができる職人は、相棒である大阪府和泉市のKカンバンのほかには存在しないと思います」

描き方を動画にまとめ、 #オジ書き というハッシュタグとともにTwitterで紹介するたびに話題となった。どんな材質でも、美しいレタリングを施してきたサインズシュウさん。芸術祭のライブペイントの担当スタッフがサインズシュウさんのTwitterを見て、声をかけたのがきっかけとなり、芸術祭のライブペイントに招かれた。

息子が通っていた大学にも足を踏み込んだことの無いような看板屋の親父が、日本の美術のエリートを続々と輩出している美術大学で書き作業を披露出来るなんて、夢のような話です。

現場に来れない方々の為に、ポケットWi-Fiなるものを携え、ライブ中継も考えております。

お楽しみに! pic.twitter.com/XD8w2dUctK

— サインズシュウ (@signsshu) 2018年11月2日

会場では、作業をするサインズシュウさんの周りに参観者の人だかりができ、その場から、職人の仕事ぶりを実況中継するツイートが相次いだ。

ついに完成! と思いきや、原稿エラーのためUNIVER'C'ITYの修正が発生。青塗料の乾燥待ち。 pic.twitter.com/VOSyvgDO6Q

— kirnura (Kim) (@kirnura) 2018年11月4日

多摩美で観てくれた皆様・Tシャツを買ってくれた方々・声をかけてくれたフォロワーの皆様・また、多摩美に縁もゆかりもない一介の看板職人である私に出演依頼をしてくれたスタッフの皆様・世界的な有名人でありながら呼び込みみたいな事をしてくれた小林章先生・和文と欧文の上田くん

ありがとう! pic.twitter.com/qpcuezeZZK

— サインズシュウ (@signsshu) 2018年11月4日

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