本社を置く沖縄県を中心に人気があるビール会社「オリオンビール」が、ストロング系チューハイから撤退したことが分かった。
健康への影響を考えて、ストロング系チューハイ「WATTA STRONG」(ワッタストロング)を1月に生産終了した。同社の広報担当者は「新型コロナウイルスの感染拡大に合わせたわけではないが、外出自粛が進む中で、消費者の健康に繋がれば」とハフポスト日本版に答えている。
■「危険ドラッグとして規制を」と訴える専門家も
サントリーの「-196℃ ストロングゼロ」をはじめとする各社の「ストロング系チューハイ」は、アルコール度数が9%程度と高く、手軽に酔えることから人気を集めている。しかし、ジュースのような飲みやすさでビールの倍以上のアルコール成分があることから、国立精神・神経医療センターの松本俊彦氏が「『危険ドラッグ』として規制した方がよいのではないか」とFacebookで指摘するなど、アルコール中毒による健康被害を指摘する声が相次いでいた。
オリオンビールの「WATTA STRONG」は同社初の缶チューハイとして、2019年5月に発売開始。通年版の「フルーツシークヮーサーミックス」「ドライシークヮーサー」のほか、限定品の「パッションフルーツ」の計3種が販売されている。これまで約168万本を販売して、「WATTA」シリーズの売上げの約4割を占めていたが、1月に生産を終了。現在店頭に並んでいる在庫分で販売終了となる。
■「家でお酒を飲む機会が増える中で、消費者の健康に繋がれば」
オリオンビールは、RIZAPグループとコラボしたアルコール飲料「FITTER(フィッター)」を4月28日から発売するなど、健康志向を強めていた。
同社の広報担当者はハフポスト日本版の取材に、「健康志向に配慮した商品にシフトする流れの一環として、アルコール度数の高いストロング系の商品は1月に生産終了しました。新型コロナウイルスの感染拡大に合わせたわけではありませんが、外出自粛が進み、家でお酒を飲む機会も増える中で、消費者の健康に繋がれば」と話している。