定食チェーン大手の大戸屋は3月4日、元従業員が不適切動画をSNSに投稿した事案を受け、12日に原則として国内の全店舗を休業し、従業員への研修を行うと発表した。
大戸屋によると、スマートフォンなど携帯端末の職場への持ち込みを禁じるほか、業務中の動画の撮影やSNS投稿の禁止、備品を業務サービス外で使わないことなどの誓約を研修で求めるという。
また研修日には、全店で清掃も行われる。
広報担当者は「今回の不適切動画では、食材を粗末に扱うなど飲食店ではあるまじき行為をしており、そうしたイメージがお客様の中に残ってしまう。信頼回復の一歩として、一斉休業での研修を行うことになりました」と話した。
従来も、社員やアルバイト従業員に対して研修や店舗でのオリエンテーションを実施。食材を大切に扱うことや、こうした不適切な行為をしないよう業務上の意識などの教育を施し、朝礼などを通じて認識を共有していたという。
また、アルバイト従業員に対してはPA会と呼ばれる勉強会も開いてきた。
売り上げは当初予想よりマイナス1億8千万円。取締役の減給も
大戸屋によると、今回の騒動などを受け、3月期の決算は当初見込みより売上高が1億8000万円の減、営業利益と経常利益はそれぞれ1億円、純利益4000万円減の見通し。
不適切動画による客足の減少のほか、フランチャイズ店舗への補填なども必要になった。
また3月は、常勤取締役5人の月額報酬額の10%を減額するという。投稿したアルバイト従業員は大阪府の店舗に勤めていたが、大戸屋は2月18日に解雇処分を発表。
広報担当者は「投稿した人たちは、気軽にやったかもしれないが、とても大きな損害が出ており、法的措置も検討している。一方で社としても従業員への教育不足を実感し、反省している」と話した。
不適切動画は、以前Instagramのストーリーに投稿されたとみられる動画が、2月16日に同一のTwitterアカウントから3回投稿された。
動画には、マスクで顔を隠した人物がズボンを脱いだ状態で局部をお盆で隠したり取ったりする様子のほか、口からプリンを吐き出す様子などが映っていた。