新型コロナウイルス感染者数が急増しているアメリカ・フロリダ州で、検査を受けた子どもたちの約3分の1近くが陽性だった。
18歳以下の感染者数の半数は、ブロワード郡やデイド郡、ヒルズボロ郡、パームビーチ郡の4つの郡に集中している。
サンシャイン・ステートと呼ばれるフロリダ州では、この数週間で感染者数が急増している。
7月16日には1日の死者数が過去最多となり、新規感染者数は1万4000人を記録した。
この4日前の12日には、アメリカ全体で最多の1万5000人以上が新規に感染した。
感染者数が増加する一方で、フロリダのデサンティス知事は学校の再開を求めており、14日に開かれたマイアミ・デイド郡の市長たちとの会議では、「子どもたちへは感染リスクが低い」と強調した。
「何事にもリスクはあります。学校に通う子ども達のリスクのレベルは、幸いにも比較的低い」と知事が述べたとタンパベイタイムズは伝える。
子どもは大人に比べて新型コロナウイルスに感染しにくく、大人への感染の可能性も低いと示す研究はいくつかあるが、その理由はまだわかっていない。
ピッツバーグ大学医学部のウイルス学者で小児科医のメーガン・カラー・フリーマン博士は、子どもの感染者数が少ないのは、この年齢層があまり検査をしていないからで、検査が少ないのは子どもたちが一般的に症状が軽いからではないかとNPRで語っている。
「確かに、子どもたちは大人より感染しにくいように見えます。しかし、コミュニティの中で子どもたちがウイルス感染をどう広げるかはまだ調査されていません」
また、感染した子どもの中には重症化や死亡に至った子どもたちもいる。
フロリダ州では新型コロナウイルスに感染して入院した子どもの数は213人で、4人が亡くなった。
州保健局のデータによると、入院する率は15〜17歳が29%と最も高く、その次が10-14歳で26%だ。
長期的な影響も心配される。フロリダ州で最も高い感染者数が多いパームビーチ郡の保健局ディレクター、アリーナ・アロンソ博士は、14日に開かれた郡委員会との会議で「子どもたちは症状は軽くても、長期間にわたる影響が見られる」と警告した。
アロンソ博士はレントゲン写真を元に「症状のない子ども達の肺に、損傷があることが確認されています。1年後や2年後に、感染がどんな影響を与えるのかはわかっていません」と語ったと、サウス・フロリダ・サンセンチネルは伝える。
ウイルスがどのように感染するかも、明らかになっていない。
世界保健機関はは9日に、新型コロナウイルス感染症のガイドラインを改定して、特にレストランやジム、教室などの閉ざされた空間では空中感染の可能性もあり得るとした。
アメリカ小児科学会と全国の教育グループは7月初めに、学校再開を支持するものの、再開は生徒と教師の健康を最優先したものであるべきだと求める共同声明を発表した。
アメリカ疾病予防管理センターは、学校再開のガイドラインの中で、手洗いやマスク着用、物の貸し借りをしないことや、6フィート(約1.8メートル)距離を保つことなどを推奨している。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。