PRESENTED BY 株式会社ツムラ #OneMoreChoice プロジェクト

「不調を我慢しないで」ある企業が新社会人にメッセージを発信する理由。調査でわかった先輩たちの思いとは

60%の新社会人が「不調は我慢すべき」と回答。先輩社会人との意外なギャップが調査で明らかに。

つらい頭痛や、生理前の気分の落ち込みなど、心身の不調を誰にも言わず我慢しながら仕事や家事をした経験のある人は多いはず。「なぜ私たちは不調を無理に我慢してしまうの?」「どうしたら、そんな我慢のない社会をつくれるの?」我慢に代わる選択肢を取れる社会を目指す、ツムラの「#OneMoreChoice プロジェクト」の宮城英子さん、大山尚美さんと、ハフポスト泉谷由梨子編集長が話し合いました。

左から、泉谷由梨子 ハフポスト日本版編集長、ツムラ コーポレート・コミュニケーション室コミュニケーションデザイングループ グループ長の宮城英子さん、同グループの大山尚美さん
左から、泉谷由梨子 ハフポスト日本版編集長、ツムラ コーポレート・コミュニケーション室コミュニケーションデザイングループ グループ長の宮城英子さん、同グループの大山尚美さん

女性の約8割が「隠れ我慢」をしている

泉谷編集長(以下、泉谷):ハフポストはニュースメディアであると同時に、生理痛の特集などを通じて、個人の悩みや生きづらさに寄り添ってきました。「#OneMoreChoice プロジェクト」も「我慢に代わる選択肢」を発信していらっしゃいますね。立ち上げからどんな活動をしてきましたか?

宮城さん
宮城さん

宮城さん(以下、宮城):そもそも、ツムラは漢方の会社として人々と接する中で、生理痛やPMS(月経前症候群)をはじめ、さまざまな不調の悩みを抱えたままの人がすごく多い、という実感があったんです。そこで調査(※1)をしたところ、女性の約8割(79.2%)が「不調を我慢して仕事や家事をしている」ことがわかりました。

2021年「隠れ我慢に関する実態調査」
2021年「隠れ我慢に関する実態調査」

ならば、ツムラとして、不調を我慢せずに、いろんな選択肢から選べる社会を目指したいと考えました。そして、「心身の不調を我慢していつも通りに仕事や家事を行うこと」を「隠れ我慢」と定義し、2021年に「#OneMoreChoice プロジェクト」を始めたんです。

2021年の国際女性デー(3月8日)にプロジェクトをスタート
2021年の国際女性デー(3月8日)にプロジェクトをスタート

生理痛やPMSによる不調を可視化することで生まれる理解

スタート時には、「不調なときに無理して会社に行こうとしたけれど、思い直して『お休みします』と連絡する」という動画(※文末でご覧いただけます)を公開しました。SNSなどには共感の声がたくさん集まって、「本当にたくさんの方が悩みを抱え込んだまま、頑張って日常生活を送っているんだな」と実感しました。

大山さん(以下、大山):2年目はさらに、特に我慢する人が多い生理痛やPMSの不調症状を可視化していきました。生理痛も人によって、いろんな痛みがありますよね。PMSも、頭痛や眠気など、人それぞれ違うんだよ、と伝えたくて。

プロジェクト2年目は「#わたしの生理のかたち」をテーマに、生理やPMSの目に見えない不調を可視化
プロジェクト2年目は「#わたしの生理のかたち」をテーマに、生理やPMSの目に見えない不調を可視化

宮城:私たちが扱う漢方の考え方に、「人によって、同じ症状でも処方される漢方薬が違ったり、同じ人でも、タイミングが違えば処方される漢方薬が変わったりする。より良い対応は、その時々、人それぞれ違う」というような考え方があって。「一人ひとりの、 生きるに、活きる。」というツムラのパーパスとも繋がっています。

日本では、我慢することが当たり前?

泉谷:企業理念自体に漢方の考え方も反映され、会社のパーパスと一致している点は素敵ですね。多くの人が隠れ我慢をする背景については、どうお考えですか?

宮城:調査(※2)から、特に生理に伴う症状については「我慢することが当たり前だと思っている」ということがわかりました。

大山さん
大山さん

大山:日本では「我慢すべき」という学習をしてきている人が多いんですよね。症状やそのつらさを表現しにくいという「伝えにくさ」も理由として挙げられました。ただし、すべての我慢が悪いというわけではなくて。踏ん張りどきを乗り越えることで、成長に繋がることもありますよね。

でも「これ以上進むと自分の心や体が崩れてしまう」状態になる前に、自分自身で気づけるようになってもらいたいな、と。同時に、勇気を出して不調を訴えたとき、周りがサポートできる環境もつくっていかなくてはいけないと思います。

「我慢をしない」=「手を抜く」ではない

泉谷:たしかに、隠れ我慢をしているときって自分では意識していないことが多くて。例えば、私は1人目を出産後、ぎっくり腰になったんですけれど、今思えば、常に急いで無理をしていました。走って会社や保育園に行く生活で。でも、よく考えると、走ってもわずか5分の短縮です。

泉谷編集長
泉谷編集長

そんなふうに、日常の中には「そこは力の入れどころじゃないよね」ということがたくさんあります。「我慢をしない」ことは「手を抜く」ではなくて、「自分のライフスタイルを見直していく」ことでもありますよね。

宮城:そうですね。長いスパンで考えたときに、「これって、自分の心や体にとって本当に良いことかな?」と考えられるようになるといいな、と思います。

社会人として多少の不調は我慢すべき?

そんな思いもあって、2024年3月に、新社会人向けのメッセージを発信しました。きっかけは、2023年「Carellege Action」という大学生向けの研修や健康相談の場を設けたことです。大学生と直接話をするうちに、さまざまな不調症状を「隠れ我慢」している実態が見えてきました。

2024年「働くことと不調に関する意識調査」
2024年「働くことと不調に関する意識調査」

新たに調査(※3)をしたところ、新社会人になる人の60.0%が「社会人として多少の不調は我慢すべきだ」と考えていました。一方で、先輩社会人の79.9%が「社会人だからといって不調を我慢しなくていい」、89.0%が「新社会人が我慢以外の行動を取れるようサポートしてあげたい」と回答しています。両者の意識にギャップがあるんです。そこで、新社会人に「『不調は我慢すべきだ』と思い込まないで、困っていることがあったら相談しても大丈夫」というメッセージを伝えたいと考えました。

大山:新社会人に向けてエールを送る動画(※文末でご覧いただけます)に加え、先輩社会人からのアドバイスを電車広告などに載せたんです。特に社会人から「無理していた昔の自分にこの言葉を聞かせてあげたい」とか「本当に我慢しなくていいと伝えたい」というコメントを多くいただけました。

企業が日本社会を変えていく

泉谷:特に新社会人になる年代の人たちは、SNSの影響で「あの人はキラキラと働いている」「自分も早く何者かにならないといけない」とプレッシャーを感じている人が多いと感じます。それが隠れ我慢につながっているのかもしれません。子どもたちの教育現場も考え方をアップデートしていく必要があります。例えば取材の中で、「生理でお腹が痛い」と言ったら、先生から「我慢して授業には出て」と言われた、という話を聞くことがあります。

今日お話を伺って、「#OneMoreChoice プロジェクト」は、本当に草の根の活動をしていると感じました。隠れ我慢の実態や背景を浮き彫りにする様々な調査を行ったり、企業や大学生への研修、ワークショップを通して生の声を聞いたり…。研修の参加者がさらに周囲に広めてくれることも多いそうですね。そういった企業の取り組みが、日本社会を変えていくでしょう。学校や他企業などにも、もっと活動を広げていただけたらと思います。

宮城:そうですね。「いつもよりスピードダウンする」「誰かと不調のときの対処法を話してみる」など、その人にあった隠れ我慢をしないためのいろんな選択肢があることを、もっと多くの人に伝えていきたいです。

大山:私たちが一方的に発信するだけではなく、皆さんが自分たちのコミュニティに最適な考え方や行動をできる社会になっていけば、と思います。そして、誰もが選択肢を少しでも広げられるようにしていきたいです。

***

「#OneMoreChoice プロジェクト」の詳細はこちら

「#OneMoreChoice プロジェクトムービー ~女性の不調に、我慢に代わる選択肢を。~」

「#もうすぐ社会人になるあなたへ」

※1 「隠れ我慢に関する実態調査」調査概要 
調査主体:株式会社ツムラ
実施時期:2021年1月16日~ 1月18日/調査手法:インターネット調査/実査委託先:楽天インサイト
調査対象:①全国の20代~50代女性10,000人(人口構成比に基づく) ②心身の不調があっても、いつも通り家事や仕事を行っている20代~50代女性1,000人(年代別に250人ずつ)

※2 「生理・PMSの本音と理解度調査」調査概要 
調査主体:株式会社ツムラ
実施時期:2022年1月27日~2月1日/調査手法:インターネット調査/実査委託先:D&M
調査対象:調査①全国の15歳~49歳の生理を経験した人 6,000人/調査②全国の15歳~49歳の男女15,000人(男性7,615人、女性7,385人)

※3 新社会人と先輩社会人に聞く、「働くことと不調に関する意識調査」概要
調査主体:株式会社ツムラ
実施時期:2024年1月5日~ 1月12日/調査手法:インターネット調査/実査委託先:マクロミル
調査対象:2024年4月に新社会人になる予定で高校・専門学校(短大含む)・大学・大学院に在籍中の男女1,000人、有職者で社会人歴3年~5年目の20代・30代男女1,000人
(新社会人は人口動態に合わせた回収に基づく出現率でウェイトバック集計を実施)

(取材撮影:野村雄治)

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