遠く離れた人に突然の不幸。喪主に香典を送ってくれる、お悔やみお届けネット「偲想」が誕生

「転勤族」ターゲットに福利厚生のメニュー入りも目指す

かつてお世話になった人に不幸があった。ただ、自分は転勤などで遠く離れていて、葬儀に参列することは出来ないー。

こうした場合に、弔文と香典を喪主まで届けてくれるサービスを、静岡県の印刷会社が始める。

「偲想」のプレスリリース
「偲想」のプレスリリース
共立アイコム 提供

 ■「偲想 omou」とは

このサービス「偲想 omou(おもう)」を始めるのは静岡県藤枝市に本社を置く印刷会社「共立アイコム」。開始は2019年の5月15日から。

自分が葬儀に参列できない場合、専用のサイトから申し込むことで、弔文と香典を喪主の自宅宛に送ることができる。

「お悔やみのお言葉」を最大250文字まで入力し、台紙のデザインを候補から選ぶ。香典の金額は3000円、5000円、10000円、30000円から選択できる。

すると、弔文が印刷された台紙と振込用紙などが喪主の自宅に届く。受け取った喪主が口座を指定することで香典が振り込まれる仕組みになっていて、喪主がこのサービスの存在を知らなくても利用可能だ。

サービスの利用料は、香典の金額に関係なく一律3000円(税別)。海外からも申し込みでき、クレジットカードで決済する。

■転勤族をターゲットに

「共立アイコム」の担当者によると、10年以上前からアイデア自体はあったが、香典が葬儀に間に合わない可能性があったため一度は断念したという。

しかしその後、いわゆる「転勤族」を中心に、参列可能な知り合いに香典を立て替えてもらったなどの例が寄せられ、需要があると判断。サービス開始を決めたという。

担当者は「香典を届けられるサービスは珍しい。いずれは転勤がある企業とタイアップして、福利厚生のメニューに取り入れてもらえるようにしたい」と話している。

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