さいたま市大宮区の風俗店で火災が発生し、男女4人が死亡した。12月18日午後6時現在、各社の報道で判明したことをまとめた。
■発生場所は歓楽街「大宮北銀座」
火災が発生したのは、JR大宮駅東口から北へ徒歩5分ほど離れた「大宮北銀座」と呼ばれる歓楽街だった。周辺には風俗店が約20店舗ある。
飲食店、雑居ビル、民家などが密集しており、車が1台やっと通れる程度の狭い道が多い。
■「ドーン」という大きな爆発音
12月17日午後2時ごろ、同店から「煙が充満していて逃げられない」と複数の119番通報があった。消防車など延べ38台、約160人が出動して消火に当たり、約7時間後の午後9時5分ごろに鎮火した。
火災が発生した風俗店は鉄筋コンクリート3階建てビルに入居しており、全て同店が占めていた。1階と2階に個室が5部屋ずつ、3階に客の待合室と女性従業員の待機室があった。3階建て延べ約170平方メートルが全焼したという。
日刊スポーツは、出火当時の状況を以下のように生々しく報じた。
「ドーン」という大きな爆発音が周囲に響いた。黒い煙も強い風にあおられて広がる。すすで顔が真っ黒になった人たちが次々と救急車で搬送されていった。髪の毛が焦げてちりちりになった男性や、毛布にくるまった男女が慌てて外に飛び出し、道路に座り込んでいた。
この火災では、20代とみられる女性2人と40代とみられる男性が死亡。搬送された人たちとは別に、3階から性別不明の遺体が見つかった。県警が身元確認を進めている。他に女性1人が重体、男女7人が軽傷だ。
■出火場所はゴミ置き場か?
毎日新聞は18日、捜査関係者への取材結果として、ビル2階南側のゴミ置き場が出火場所とみられると報じた。
ゴミ置き場にたばこの吸い殻などを置いていたという情報もあり、埼玉県警は可燃性のゴミやたばこの不始末が出火原因の可能性があるとみて調べている。
また、同店は2016年6月にさいたま市消防局から指導を受けていた。朝日新聞デジタルによると、消防局がこの店に定期査察をした際に、1階南側にあった出入り口の外に物が置かれていたため、消防法に基づいて処分するよう指導した。店側はその場で改善していたという。
日刊スポーツは「建物が古く、部屋や階段は周囲の風俗店に比べて狭かった」という同店の利用者の言葉を紹介している。
■過去にも風俗店などで火災が...
2001年には東京・歌舞伎町の火災で、飲食店の店員や客ら44人が一酸化炭素中毒などで死亡する事故が起きた。毎日新聞によると、ここ数年の歓楽街の風俗店などで起きた火災は以下の通り。
2001年 9月
東京都新宿区歌舞伎町の雑居ビルで火災、44人死亡
2008年3月
名古屋市南区の風俗店で火災、3人死亡
2008年4月
札幌市中央区の風俗店で火災、3人死亡
2008年10月
大阪市浪速区の雑居ビルで個室ビデオ店が放火され、16人死亡
2015年10月
広島市中区の雑居ビルで火災、3人死亡