1月21日、沖縄県南部の南城市で8年ぶりの市長選挙があり、22日午前0時ごろ無所属新人の瑞慶覧長敏(ずけらん・ちょうびん)氏の当選が決まりました。瑞慶覧氏は南城市出身の元衆院議員で、この市長選で翁長雄志県知事が「全力」で応援した候補者です。
沖縄は今年、2月4日に名護市長選、秋に県知事選が続く「選挙イヤー」です。米軍基地問題の最前線ゆえ、国政に与えるインパクトが注目されています。南城市長選はその前哨戦と位置付けられていました。
自民・公明・維新が推薦する現職(無所属)に対し、社民・共産・自由・民進・沖縄社会大衆党が推薦する瑞慶覧氏が挑む一騎打ちとなりました。大接戦の末、わずか65票差で瑞慶覧氏が当選しました。
現職の古謝景春(こじゃ・けいしゅん)氏は4期目を目指していました。古謝氏は、06年に4町村合併で南城市が誕生してから12年に渡り市長を務めました。「子育て支援」などを強化し、地域発展に続けて取り組みたいと主張していました。
瑞慶覧氏も、子どもや若者を大切にする政策を訴えながら挑みました。同時に、市民の声が行政に届きにくくなっているとして、「市民の声でまちづくりを」と市政刷新を強調していました。
瑞慶覧氏の事務所に駆けつけた支援者らは口々に「良かった」「最高」とよろこびを爆発させました。「これで南城市が変わる。各地域に豊かさが行き渡ってほしい」として、古謝市政を間接的に批判する声も聞こえました。
翁長知事らの「オール沖縄」勢力は、2週間後の名護市長選に向けて大きな弾みを得たようにみえます。しかし差はわずか65票でした。
今、沖縄の振れ幅が非常に大きくなっているように感じました。
琉球新報によると投票率は66.92%でした。有権者数は3万4328人。投票総数は2万2973。有効投票数は2万2793、無効票は180でした。瑞慶覧氏が1万1429票、古謝氏が1万1364票でした。